EXHIBITIONS

桃源郷通行許可証

2022.10.22 - 2023.01.29

松井智惠 青蓮丸、西へ(部分) 2018 作家蔵 © Chie Matsui Courtesy of MEM

稲垣美侑 Largo(幅広くゆるやかに) 2020 作家蔵

佐野陽一 flow 2015-17 作家蔵

斎藤豊作 フランス風景Ⅱ 1910頃 埼玉県立近代美術館蔵

東恩納裕一「Large Interior」会場風景(void+、東京、2021)
Photo by Masatoshi Mori Courtesy of void+

文谷有佳里 drawing 2022.6.25 2022 作家蔵 Photo by ToLoLo studio

菅木志雄 四囲分集 1994 埼玉県立近代美術館蔵

橋本関雪 春秋山水 制作年不詳 埼玉県立近代美術館蔵(展示期間:2022年10月22日〜12月4日)

松本陽子 黒い岩 1990 東京都現代美術館蔵

菱田春草 湖上釣舟 1900 埼玉県立近代美術館蔵(展示期間:2022年12月6日〜2023年1月29日)

 埼玉県立近代美術館が企画展「桃源郷通行許可証」を開催する。

 中国の詩人・陶淵明が記した物語「桃花源記」に由来し、理想と平和の土地をあらわす桃源郷。「桃花源記」では、武陵に暮らすある漁師が舟を漕ぐうちに、世俗とは隔絶された穏やかな時間が流れる美しい世界へとたどり着くさまが描写されている。

 今回の展覧会タイトル「桃源郷通行許可証」は、出品作家のひとり、松井智惠の作品に着想を得たもの。古今東西の芸術作品を鑑賞することは、私たちがいま立つ地点から、遠く離れた時間や空間を経験することだととらえ、多様な時代、ジャンルの作品と埼玉県立近代美術館のコレクションとの遭遇を通じて、時空を超えた芸術作品の魅力を探る。

 出品作家は、稲垣美侑、佐野陽一、東恩納裕一、文谷有佳里、松井智惠、松本陽子。絵画、写真、ドローイング、インスタレーションなど、それぞれの手法を用いて、日常や現実のはざまに潜在する事象を繊細に掬い取る6名の作家の作品と、同館のコレクションを組み合わせて紹介する。

 作家や作品同士の対比、テーマによる対照、意外な組み合わせなど、様々な角度から構成される本展覧会は、コレクションに新たな光を当てるとともに、幅広い世代の作家たちの現在地に立ち会う機会となるだろう。