EXHIBITIONS

アート・アーカイヴ資料展XXIII

槇文彦と慶應義塾 II:建築のあいだをデザインする

ο館から研究・教室棟群の間の小道を見通す Photo by Ryota Atarashi

λ館階段 Photo by Ryota Atarashi

λ館の窓越しにκ・ε・ι・ο館の間の小道を見る Photo by Ryota Atarashi

Μ館正面 Photo by Ryota Atarashi

カスケード越しにΩ館を見る Photo by Ryota Atarashi

 慶應義塾大学アート・スペースは、アート・アーカイヴ資料展「槇文彦と慶應義塾 II:建築のあいだをデザインする」を開催している。

 2020年度に開催した「アート・アーカイヴ資料展XXI 槇文彦と慶應義塾Ⅰ:反響するモダニズム」に続き、慶應義塾に存在する槇文彦による建築の意義を問う展覧会シリーズの2回目。今回は槇がキャンパス全体のグランドデザインから一貫して関わり続けた、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスを取り上げる。

 槇はかねてより個々の建築物が関係することで生み出される全体の効果について探求しており、そのなかでも共通の因子を持つ建築物が連関することで全体のフレームを形成する「群造形」を提唱していた。建築物同士の関係性を重視したこの思想を槇は各所で試みていたが、何もないところからすべてをつくり上げる必要があった慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの整備計画は、それを巨大な規模で実践する格好の機会であった。

 本展覧会ではこうした点に着目し、群造形という概念をキャンパスの生成に用いることで、槇がどのような環境を創出したのかを探る。