EXHIBITIONS

秋季特別展

文明をつなぐもの 中央アジア

2022.09.03 - 12.11

舞人俑 6世紀 加彩灰陶 個人蔵

猛禽牡牛装飾杯 バクトリア 前3000年紀末期-前2000年紀初期 エレクトラム MIHO MUSEUM蔵

石床屏風(11枚のうち) 北周 6世紀 MIHO MUSEUM蔵

 MIHO MUSEUMは、秋季特別展「文明をつなぐもの 中央アジア」を開催する。

 古来、中央アジアやイランの山岳地域はメソポタミア神話からもうかがわれる貴金属貴石の産地であり、その鉱物資源の長距離交易は、インダス文明・メソポタミア文明・エジプト文明をつなぐものだった。北方からここを通り南下したイラン系民族は、その精神文明を吸収し、のちにゾロアスター教と呼ばれる拝火教に発展させたと考えられている。そして、やがてエジプトから中央アジアまでを包括する世界帝国、アケメネス朝ペルシアを樹立した。

 本展は、中央アジアとその周辺の青銅器時代の精神世界からひも解き、イラン民族による西アジア広域の精神世界の転換を概観するもの。出品作は東西文明交流の様相を示す、聖なる動植物をモチーフにした作品や、シルクロードを行き来した豪華な金・銀製品など。さらに本展では中世初期の、シルクロード交易の主役に躍り出た中央アジアのイラン系ソグド人が、東アジア・内奥アジアに残した足跡をたどる。

 なお本展と同時期に、秋季特別陳列「中華世界の誕生 ―新石器時代から漢―」が開催。MIHOコレクションより、新石器時代の赤や黒の文様を持つ彩陶、殷や周時代につくられた青銅の器や楽器、春秋・戦国時代以降の金銀象嵌といった新たな色彩的要素や迫力ある動物表現、そして国家の体裁を整えていった漢時代の俑などを紹介する。