EXHIBITIONS
MOTアニュアル2022
私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ
現代の表現の一側面を切り取り、問いかけや議論の始まりを引き出すグループ展「MOTアニュアル」。18回目を迎える2022年は「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」を副題とし、大久保あり、工藤春香、高川和也、良知暁の4人のアーティストを迎える。
高川は1986年生まれ。映像による制作を行っており、これまでに、自身になりきった心理カウンセラーとの対話による映像や、見知らぬ人同士が合意形成を行う実証実験的な映像やプロジェクトがある。また鬱病患者や戦争体験者の言葉の収集を行うなど、言葉が人の心理に与える影響に関心を持っている。
工藤は1977年生まれ。絵画制作のほか、リサーチ・コレクティヴの「ひととひと」メンバーとしても活動。また社会的な課題へのリサーチをもとに、語る言葉を持たない人々への想像から、テキストやオブジェ、映像を組み合わせたインスタレーションを制作し、制度や法が人々の価値観にどのように影響を与え、内面化されているかを問う。
大久保は1974年生まれ。自身の夢や経験から派生したフィクションに基づき、パフォーマンスや印刷物、テキストとオブジェによるインスタレーションなどで見せる。記憶や語りの持つ曖昧さや多重性を映し出すことで、歴史の揺らぎのなかで宙吊りになり、忘却されたものの存在に触れようとする。
良知は1980年生まれ。近現代史、とくに投票制度にまつわるリサーチに基づく作品制作や、歩行や質問など日常の行為を通した芸術実践を行う。時にテキストや写真、パフォーマンスなどに展開されるそれらの実践からは、制度や表象が持つ政治性や過去の出来事に対する断続的な想起の可能性が見いだせる。
本展は言葉や物語を起点として、時代や社会から忘れられた存在にどのように輪郭を与えることができるのか、私たちの生活を取り巻く複雑に制度化された環境をどのように解像度をあげてとらえることができるのかを、4人のアーティストとともに考える。
参加アーティストはそれぞれ、本展のための作品を制作。高川は、ラッパーのFUNIらと協働し、言葉によって自分自身を表現することと、それによる作用について探るドキュメンタリーを発表する予定だ。
工藤は本展では、旧優生保護法の成立や相模原殺傷事件について扱ってきた自身のこれまでの制作をもとに、相模湖の歴史とそこから見える資源、福祉、労働を巡る社会構造や、見えづらくされている存在の声と視点を映し出すインスタレーションを展開。大久保は、過去の自身の作品を再構成し、博物館的時間のなかで召喚される記憶やものにより、新たな物語を編纂する。
そして良知は、1960年代のアメリカ・ルイジアナ州で行われた、投票権をめぐるリテラシーテストで使われた一節を軸とする作品《シボレート / schibboleth》を展示。読み書き発音などが恣意的な判別の装置として、目に見えないかたちで行われる差別をめぐる思索である本作を、美術館という公共空間で再現する。
高川は1986年生まれ。映像による制作を行っており、これまでに、自身になりきった心理カウンセラーとの対話による映像や、見知らぬ人同士が合意形成を行う実証実験的な映像やプロジェクトがある。また鬱病患者や戦争体験者の言葉の収集を行うなど、言葉が人の心理に与える影響に関心を持っている。
工藤は1977年生まれ。絵画制作のほか、リサーチ・コレクティヴの「ひととひと」メンバーとしても活動。また社会的な課題へのリサーチをもとに、語る言葉を持たない人々への想像から、テキストやオブジェ、映像を組み合わせたインスタレーションを制作し、制度や法が人々の価値観にどのように影響を与え、内面化されているかを問う。
大久保は1974年生まれ。自身の夢や経験から派生したフィクションに基づき、パフォーマンスや印刷物、テキストとオブジェによるインスタレーションなどで見せる。記憶や語りの持つ曖昧さや多重性を映し出すことで、歴史の揺らぎのなかで宙吊りになり、忘却されたものの存在に触れようとする。
良知は1980年生まれ。近現代史、とくに投票制度にまつわるリサーチに基づく作品制作や、歩行や質問など日常の行為を通した芸術実践を行う。時にテキストや写真、パフォーマンスなどに展開されるそれらの実践からは、制度や表象が持つ政治性や過去の出来事に対する断続的な想起の可能性が見いだせる。
本展は言葉や物語を起点として、時代や社会から忘れられた存在にどのように輪郭を与えることができるのか、私たちの生活を取り巻く複雑に制度化された環境をどのように解像度をあげてとらえることができるのかを、4人のアーティストとともに考える。
参加アーティストはそれぞれ、本展のための作品を制作。高川は、ラッパーのFUNIらと協働し、言葉によって自分自身を表現することと、それによる作用について探るドキュメンタリーを発表する予定だ。
工藤は本展では、旧優生保護法の成立や相模原殺傷事件について扱ってきた自身のこれまでの制作をもとに、相模湖の歴史とそこから見える資源、福祉、労働を巡る社会構造や、見えづらくされている存在の声と視点を映し出すインスタレーションを展開。大久保は、過去の自身の作品を再構成し、博物館的時間のなかで召喚される記憶やものにより、新たな物語を編纂する。
そして良知は、1960年代のアメリカ・ルイジアナ州で行われた、投票権をめぐるリテラシーテストで使われた一節を軸とする作品《シボレート / schibboleth》を展示。読み書き発音などが恣意的な判別の装置として、目に見えないかたちで行われる差別をめぐる思索である本作を、美術館という公共空間で再現する。