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EXHIBITIONS

北澤美術館所蔵

ルネ・ラリック-アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美

2022.06.04 - 08.28

ルネ・ラリック 中型常夜灯《キューピット》 1920 撮影=清水哲郎 北澤美術館蔵

ルネ・ラリック テーブル・センターピース《三羽の孔雀》 1920 撮影=清水哲郎 北澤美術館蔵

ルネ・ラリック 花瓶《バッカスの巫女》 1927 撮影=竹本春二 北澤美術館蔵

ルネ・ラリック カーマスコット《勝利の女神》 1928 撮影=清水哲郎 北澤美術館蔵

ルネ・ラリック 香水瓶《カシス》 1920 撮影=清水哲郎 北澤美術館蔵

 岡崎市美術博物館では「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック-アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」が開催されている。

 フランスのシャンパーニュ地方の小さな村アイに生まれたルネ・ラリック(1860〜1945)は、アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、そしてアール・デコを代表するガラス工芸家として、2つの分野で頂点を極めた。ラリックは1900年のパリ万博でジュエリー作家として脚光を浴びると、1910年頃からはガラス工芸家として活躍。無色透明な素地を用いて鋳型成形によるシャープなデザインで、ガラス工芸を詩情豊かなものに昇華した。

 花瓶、香水瓶、鉢、置物などに始まったラリックのガラス制作は、室内装飾、野外モニュメント、そして教会の祭壇にまで展開され、1925年の「アール・デコ博覧会」では、夜間照明付きの野外噴水を立て、建物の内外装にガラスを用いるなど大胆な着想を実現。この展示は「アール・デコ様式」の語源ともなった。

 本展は、世界屈指のガラスコレクションを誇る北澤美術館(長野県諏訪市)の豊富なコレクションのなかから、ラリックの作品を選りすぐり、ガラス工芸家としての全容を紹介するもの。装飾美術の価値を芸術の域まで押し上げたラリックの作品を通して、華やかで洗練された20世紀初頭のモダンな様式美を堪能したい。