INTERVIEW

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美的感覚に訴えかけるコンセプチュアル・アート。ヤン・ヴォー インタビュー

ベトナム生まれデンマーク出身、現在はベルリンを拠点に活動しているアーティスト、ヤン・ヴォー。個人史を通して植民地時代の歴史や権力の悪用、グローバル経済システムの歪さなどの問題を浮かび上がらせる作品で知られる。東京のタケニナガワで個展を開催し、また豊田市美術館のグループ展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」にも参加しているヴォーに、2020年に国立国際美術館でのヴォーの個展を企画担当した学芸員・植松由佳がインタビューを行った。

2024.4.21
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宇野亞喜良インタビュー。僕がイラストレーターにとどまり続ける理由

90歳でなお、第一線のイラストレーターとして活躍する宇野亞喜良。1950年代のキャリア初期から現在に至るまでの900点超で、仕事の全貌を明らかにする過去最大規模の個展「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」が東京オペラシティ アートギャラリーで始まった。展覧会の企画にかかわった記者が、開幕に合わせて、宇野の代名詞ともいえる幻想やエロスの源泉、寺山修司との関わりなどを聞いた。

2024.4.14
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シュ・ビン(徐冰)インタビュー。「芸術の機能は文明の行き先を感じ取ること」

実際には存在しない「偽漢字」を使った作品で世界的に知られる中国のアーティスト・シュ・ビン(徐冰)。国立新美術館の「遠距離現在 Universal / Remote」では、それまでの作品とは大きく異なる映像作品《とんぼの眼》を日本の美術館において初めて発表した。来日した徐冰に、同展キュレーターの尹志慧と同館館長・逢坂恵理子がインタビュー。本作の制作背景に迫った

2024.4.14
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Gallery Trax・三好悦子インタビュー。ゆったりと流れる時間がとらえる現代美術の前線

デザイナーの木村二郎と三好悦子によって1993年、八ヶ岳山麓に誕生した「Gallery Trax」。木村が世を去ったあとも、角田純、五木田智央、ロッカクアヤコ、大森克己、川内倫子といったアーティストの展覧会を開催し続ける三好に、ギャラリーとしての思想、そしてアーティストたちへの思いを聞いた。

2024.4.12
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坂 茂インタビュー。建築と災害支援の両輪を担う建築家

建築家・坂 茂は、フランスのポンピドゥー・センター・メスや、国内では静岡県富士山世界遺産センター、大分県立美術館など、数々の代表的な建築を手がけてきた。そのいっぽうで注目が集まるのは、坂が代表を務めるNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)による災害支援活動だ。避難所に赴き、紙管を用いた復興住宅や自身が考案した「紙の間仕切りシステム(PPS)」を展開することで、避難環境の改善やプライバシー保護といった精神的な安全性を守ることに従事している。本インタビューでは、その災害支援活動をメインに、紙管建築やPPSの開発、NPO法人の設立のきっかけ、そして坂が現場で感じる課題感について、直近のウクライナ侵攻やガザ紛争、能登半島地震などの事例から話を聞いた。

2024.4.6
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「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」総合プロデューサー・小林武史の思考、そのダイナミズムに迫る

3月23日から千葉県の内房総5市で作品展示やライブパフォーマンスが行われる「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」。その総合プロデューサーは、音楽家として知られる小林武史だ。「利他」のマインドで未来を想像すべく「百年後」と題したり、アンドレ・ブルトンの『通底器』を引いて内房総と東京を結びつけたりするダイナミックな思考と、それを裏付ける実践を紐解く。

2024.3.25
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閉館目前に平田オリザが語った、こまばアゴラ劇場の先駆性。「民間の小劇場としてやれることは限界までやった」

2024年5月末をもって閉館すると発表された、東京・目黒区の「こまばアゴラ劇場」。同劇場の開館から約40年にわたる歴史を、芸術総監督を務める平田オリザにインタビュー。見えてきたのは、演劇を取り巻く時代の変化と場所性、未来を見据えた挑戦の軌跡だった。

2024.3.24
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「北欧の神秘」展キュレーターに聞く、北欧絵画の見どころと魅力

3月23日に始まったSOMPO美術館「北欧の神秘」展は、本邦初となる本格的な北欧絵画展だ。北欧絵画の黄金時代とされる19世紀末~20世紀初頭の画家47名を取り上げるなど、早くから美術ファンの間で注目されてきたこの展覧会。その開催を前に、北欧絵画の魅力について、展示を担当した武笠由以子主任学芸員、古舘遼学芸員に話を聞いた。

2024.3.24
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パール・ラム・ギャラリーズはなぜアートフェア東京に出展するのか? ディレクターに聞く

香港と上海にスペースを有するパール・ラム・ギャラリーズ(Pearl Lam Galleries)が、昨年に続いてアートフェア東京に出展する。アジアでも有数のギャラリーはなぜマーケットが小さな東京のフェアに参加するのか? ディレクターの寺島ゆりかに聞いた。

2024.3.4
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チームラボが起こす「認識革命」。猪子寿之が目指すのは「連続的で関係し合う状態の美しい場」

2月9日、麻布台ヒルズに開館した新しい「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」。開館に先立ち、この新たなミュージアムのコンセプトや日本初公開の新作、そして連続し合う作品群の背後にある思想について、チームラボ代表の猪子寿之にインタビューを行った。

2024.2.9
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大西康明インタビュー。川原の石を型取ることで、世界を測り直すアーティスト

日常的な素材や工業製品を用いて、空間全体を彫刻に仕立てる作品を手がけてきた大西康明が、箱根山中に佇むポーラ美術館のエントランス付近のアトリウム ギャラリーを「彫刻化」し、場の雰囲気を一変させている。HIRAKU Project Vol.15 「大西康明 境の石」展だ。どのような考えと手法によって場の空気をつくり変えたのか、アーティスト本人の言葉を聞いた。

2024.2.3
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ホテル業界から異例の転身。ポーラ美術館新館長・野口弘子が語る「ヒューマンウェア」の重要性

2023年7月にポーラ美術館の新たな館長に就任した野口弘子は、「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」総支配人など、ホテル業界でキャリアを重ねてきた人物だ。美術館というまったく異なる業界への転身は大きな驚きを与えた。野口はなぜ美術館業界に足を踏み入れ、何を変えようとしているのだろうか?

2024.1.28
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アニッシュ・カプーアが語る監視社会、金融資本主義、そして飼い馴らされていない芸術

東京・神宮前のGYRE GALLERYで個展「アニッシュ・カプーア_奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」を開催しているアニッシュ・カプーア。その作品制作において抱えている問題や本展について、企画者である飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)との書面インタビューをお届けする。

2024.1.7
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東博の未来図。文化財に迫る危機を見据えて

2023年秋、東京国立博物館で開催された「横尾忠則 寒山百得」展。この展覧会は、東博にとってはじめての現代美術作家の個展となった。同展の企画者である同館学芸企画部長である松嶋雅人は、これまでも「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」(2021)や「150年後の国宝展」(2022)など、東博では異例に見える展覧会を企画してきた。なぜ松嶋はこのような企画を続けるのだろうか?

2024.1.6
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西野達が語る、パブリック・アートが人類の未来に必要な理由

今年、渋谷の名所・ハチ公像で1日限りのアートプロジェクトを実行し、大きな注目を集めたアーティスト・西野達。これまで様々な公共空間で数多くのプロジェクトを行ってきた西野は、なぜパブリック・アートを続けるのか? そこには壮大な思いがあった。

2023.12.25
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第8回

コロナ禍明けのアートマーケットはどう変わったのか? フィリップスのスターオークショニア、ヘンリー・ハイリーに聞く

英国の老舗オークションハウス・フィリップスのスターオークショニアであり、同社の主要なイブニングセールを担当し数々の記録的な数字をつくり出してきたヘンリー・ハイリー。12月に森美術館が主催したガラディナーのチャリティーオークションのために来日したハイリーに、コロナ禍明けのアートマーケットの傾向などについて話を聞いた。

2023.12.24
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ナリニ・マラニ、作品で伝える「声なき者の声」

第38回「京都賞」(2023)の思想・芸術部門を受賞したのは、インド出身のアーティスト、ナリニ・マラニ。「揺れ動く歴史を生きる経験に基づき、美術の『脱中心化』に非欧米圏から貢献した美術家」として評価され、受賞に至ったアーティストにインタビューを行った。

2023.12.18