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コレクション展「1937―モダニズムの分岐点」で探る日本前衛美術の動向

国内外の前衛美術が分岐点を迎えた1937年にスポットをあてたコレクション展「1937ーモダニズムの分岐点」が神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。会期は9月16日〜11月5日。

村井正誠 ウルバン 1937 キャンバスに油彩 神奈川県立近代美術館蔵

 ヨーロッパで「パリ万博」や「退廃美術展」が開催された1937年に、中国大陸での戦争が本格化し、軍国主義へと急速に傾いた日本。美術界では文部省主催の「新文展」などが発足し、前衛美術が活発に展開されていたが、それらはこうした時代の流れに否応なく巻き込まれていった。

阿部合成 鱈をかつぐ人 1937頃 パネルに油彩 神奈川県立近代美術館蔵

 本展では、《見送る人々》で知られる阿部合成をはじめ、版画家・小野忠重や「具体美術協会」の創設者・吉原治良などが、1937年前後に制作した油彩や版画を約50点を展示。

 また、同年に開催された「海外超現実主義作品展」にも注目し、企画者である詩人・批評家の瀧口修造と山中散生がシュルレアリストたちと交わした書簡などを公開するほか、ソヴィエト連邦の雑誌『ソヴィエト連邦建設』や劇作家・村山知義による「スクラップブック」もあわせて紹介。モダニズムが1つの分岐点を迎えた1937年前後に光をあて、当時の日本美術や前衛美術の国際的な動向をたどる。

小野忠重 街の子〈街角〉 1937 木版、紙 神奈川県立近代美術館蔵

編集部

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