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身体的な表現が映す革命精神。ミラノの日本現代美術展で生とフィジカリティを思索する

イタリア・ミラノにて、戦後以降、主に2000年代の日本現代美術を紹介する企画展「JAPAN. BODY_PERFORM_LIVE: Resistance and Resilience in Japanese Contemporary Art(表現する身体/生きる身体:日本現代美術におけるレジスタンスとレジリエンス)」が始まった。同市の現代美術館PACから依頼を受けたインデペンデント・キュレーターの飯田志保子が、17名/組のアーティストによる作品を選出した。

文・写真(*のぞく)=飯田真実

展示風景より、山城知佳子《土の人》(2016)*Courtesy PAC Padiglione d'Arte Contemporanea, Milano. Photo Claudio Bettio, vulcano.agency

 戦後のメイド・イン・イタリー文化を推進してきた都市ミラノ。ヴェネチアやローマに比して近代的な顔を持ち、市内に残る中世ルネサンスの傑作、18世紀に建設されたオペラ・スカラ座に加え、1930年代に始まったミラノ・トリエンナーレ、60年代からのミラノ・サローネ、2015年にオープンしたプラダ財団の複合施設を訪れる人も多い。

 新旧様々な美術館やアートギャラリーもある。ミラノ市が所有する20世紀美術のコレクションを展示するために設立された「Padiglione di Arte Contemporanea」(通称、PAC)はそのひとつである。第二次世界大戦下に爆撃された宮廷内の建物を、ミラノ工科大学を卒業しイタリアの代表的な建築家となったイグナツィオ・ガルデッラが改装。1954年の開館以降、国内外の現代美術を積極的に紹介している。

正面入り口、右側がPACの建物

 PAC側のコ・キュレーター、ディエゴ・シレオから依頼を受けたのは、インデペンデント・キュレーターの飯田志保子。そのとき、飯田は学芸統括として「あいちトリエンナーレ2019」を準備中だった。のちに国際現代美術展内の一企画だった「表現の不自由・その後」を発端とした騒動やパンデミックによって、文字通り身体と表現の生命線が脅かされる事態が起きる。 展示や国/都市の閉鎖と再開が繰り返され、日本という一国を掲げた展示を行うことに自問を重ねた。が、シレオの専門領域でもある身体性を基点とする現代の芸術実践を軸にしたアーティストおよび作品の選定という方針を受け、飯田は日本の戦後以降を起点に企画に取り組む。

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