「つくらない彫刻家」の軌跡を見る。
福岡道雄が大規模個展を開催

彫刻家福岡道雄の60余年にわたる制作活動を振り返る大規模個展が、国立国際美術館で開催される。会期は10月28日〜12月24日。

福岡道雄 Pink の残景又は黒の降下 1972 作家蔵 撮影=福永一夫

 福岡道雄は1936年大阪府堺市生まれ。終戦後に中国から帰国し、55年に大阪市美術研究所に入所。今村輝久や保田龍門に師事し、彫刻を学んだ。58年に初個展を開き、77年には第8回中原悌二郎賞優秀賞を受賞。制作活動を続けていた福岡だったが、《腐ったきんたま》(2005)を発表した後、「つくらない彫刻家」として生きることを宣言した。

福岡道雄 飛ばねばよかった 1965-66 作家蔵 撮影=椎木静寧

 「制作」と「生活」のあいだを行き来し、「生活」感情に根ざした作品を「制作」することでその接点を探った福岡。「制作」という概念そのものに疑問を感じ、「つくること」と「つくらないこと」に着目した活動も行ってきた。本展は“反”芸術を掲げた福岡道雄という芸術家の全貌に迫ることのできる展覧会になっている。

 また、会期中にはアーティスト・トークやギャラリー・トークの開催も予定されている。

編集部

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