日本国内では26年ぶりの大規模個展。「ボテロ展 ふくよかな魔法」が東京・名古屋・京都で開催へ

南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの大規模な展覧会「ボテロ展 ふくよかな魔法」が2022年、Bunkamura ザ・ミュージアム、名古屋市美術館、京都市京セラ美術館で開催される。本展はボテロ生誕90年を記念した、日本国内では26年ぶりの展覧会となる。

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 南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロ(1932~)。その生誕90年を記念した、日本国内では26年ぶりの展覧会が2022年に3会場を巡回する。会期は2022年4月29日~7月3日(Bunkamura ザ・ミュージアム)、7月16日~9月25日(名古屋市美術館、予定)、10月8日~12月11日(京都市京セラ美術館)。

 ボテロは1950年代後半から欧米で高く評価されてきたアーティスト。その作品に描かれる人物や動物はふくよかで、果物は熟れきっているかのように膨らみ、楽器や日用品さえも膨張している。ボテロのボリュームへの関心は、17歳の頃に描かれた作品《泣く女》(1949)にすでに表れており、とくにイタリアで学んだ経験がその独自のボリューム感、官能性、デフォルメ表現に対する基盤を確固たるものにしたという。ボテロ自身は「私の作風は、私の作品の代名詞であるだけでなく、私が後世に残す遺産でもあるのです」と語っている。

フェルナンド・ボテロ

 1995〜96年の巡回展以降、26年ぶりの日本展となる本展はボテロ本人が監修するもの。初期から近年までの油彩ならびに水彩・素描作品など全70点で構成され、その展示作品のほとんどが日本初公開となる。

 なかでも注目は日本初公開の《モナ・リザの横顔》(2020)だ。ボテロは1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧された際、ニューヨーク近代美術館のエントランス・ホールに《12歳のモナ・リザ》(本展には出展されず)が展示されたことで大きな注目を集めた。「モナ・リザ」はボテロが描き続けているテーマのひとつであり、本作はその探求の先端にあるものと言えるだろう。

 ラテン・アメリカの人々の日常や信仰、サーカスなどを題材にした作品から、その名を一躍有名にした古典の名画を題材とした作品まで、いまなお精力的に制作を続けるボテロの画業をたどる絶好の機会となりそうだ。

 なお4月29日からは映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』がBunkamura ル・シネマほかにて全国順次ロードショー。こちらも展覧会とあわせてチェックしたい。

編集部

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