上村松園《序の舞》が修理後初公開。東西の美人画が一堂に会する展覧会が上野で開催

上村松園が1936年に制作した《序の舞》(重要文化財)の修理が完了したことを受けて、江戸時代から昭和戦前期までの美人画の歴史をたどる展覧会「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」が開催される。会場は東京藝術大学大学美術館、会期は3月31日〜5月6日(展示替えあり)。

上村松園 序の舞(重要文化財) 1936(昭和11) 231.3×140.4cm(画面) 東京藝術大学蔵

 京都に生まれた上村松園(1875〜1949)は、竹内栖鳳らに学びながら独自の美人画様式を確立し、1948年には女性として初の文化勲章を受賞した画家。松園が「私の理想の女性の最高のもの」と語った《序の舞》(1936)は作家の代表作であり、のちに重要文化財に指定された。

上村松園 鼓の音 1940(昭和15) 77.0×95.7cm 松伯美術館蔵
上村松園 舞踊図(重要美術品、六面のうち一面) 17世紀(江戸時代) 各63.0×37.1cm サントリー美術館蔵 (展示期間:3月31日〜4月15日)

 制作から80年近く経過している本作は、近年は展示を控えざるを得ない状況が続いていたが、2015年から本格的な修理を開始。「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」において、修理後初公開される運びとなった。

 4章で構成された会場では、松園が影響を受けたとされる江戸時代の浮世絵を紹介するほか、東京画壇を代表する鏑木清方や山川秀峰、関西画壇の上村松園や菊池契月らの作品を展覧。江戸時代の風俗画に近代美人画の源流を探りながら、《序の舞》にいたる系譜をたどる。

菊池契月 散策 1934(昭和9) 173.0×173.5cm 京都市美術館蔵
上村松園 母子(重要文化財) 1934(昭和9) 168.0×115.5cm 東京国立近代美術館蔵

編集部

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