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strangersが生み出す環境と人との共鳴。境界が溶け合ったその先で見つめるものとは

アーティスト・strangersが、今年6月、スパイラルガーデン(東京)で個展「BLACK AND BLUE」を開催した。ガラスを用いて境界を揺るがす環境をつくり出すその作品のコンセプトや、活動の原点について話を聞いた。

聞き手・構成=山内宏泰 撮影=小澤塁

 アーティストのstrangersが今年6月、個展「BLACK AND BLUE」を、東京・表参道のスパイラルガーデンで開催した。プロダクトと現代美術の境界で「アンビエント・ファクター(環境因子)」をテーマにガラス作品を制作するstrangersとはいかなるアーティストなのか。

「BLACK AND BLUE」(スパイラルガーデン、東京、2026)の展示風景。右壁面が《Glass Image》( 2026)

透明なガラスと透ける光の調和

 会場となったスパイラルガーデンには、淡い光と溶け合う色をまとった作品が並び、ひとつの「空間」をつくり出している。収納物の輪郭をおぼろげな形にするテーブル、光の質感そのものを表現する照明、それら一つひとつは実用性を帯びたプロダクトでありながら、同時に各作品が共鳴することで空間を演出する。「人が考えていることはつねに流動的かつ曖昧であり、それを直接具体的な形へと変換することは難しいと考えています。まず光や色といった視覚的な要素へと置き換え、そこにガラスや光源といった物質的な要素を重ね合わせることで、徐々に作品としての実体を形成していきます」。

《Glass Table》(2026)。ガラスの青みを帯びた色を光に変換して空間に放つ
《Glass Table》(2026)。表面には細かな凹凸線が入れられ複雑なテクスチャが重なり合う

 その原点については、次のように語る。「多摩美術大学でテキスタイルデザインを専攻するなかで、コム・デ・ギャルソンやイッセイミヤケをはじめとするファッションブランドに影響を受け、いっぽうでSaaS、LLM、UIといった領域に同様の共通点を見出しました。ロンドンのコンサルティング・ファームでキャリアを積んだのち、国内のスタートアップ企業freeeに参画し、プロダクト開発の現場を担いました」。それぞれの仕事は一見すると性質が異なるもののようにも思われるが、明確に重なる部分がある。「作品をつくることは『ストーリー』をつくることだと思います。つくった作品が次の作品につながり、人との関わりをつくっていく。またそれが別のストーリーを生み出し広がっていく」。

《Glass Image》(2026)。外部からの光のみで自ら発光しているかのような反射を見せる

編集部