INSIGHT - 2017.4.26

舞台は南極。
「第1回南極ビエンナーレ」で問い直す人類と芸術の関わり

アレクシス・アナスタシオウ 外は寒い—大規模投影 撮影=鴻野わか菜

ポノマリョフのインスタレーションを海中に設置するために作品を載せて移動するゴムボートとスタッフ達 撮影=鴻野わか菜

船内では20近いレクチャーが行われた。ポノマリョフは自作を解説し、瀬戸内国際芸術祭2016で発表したインスタレーションについても語った 撮影=鴻野わか菜

最初の上陸地、ピーターマン島。沖に見えるのが、ロシアの研究船「セルゲイ・ヴァヴィロフ号」 撮影=鴻野わか菜

五十嵐靖晃《時を束ねる》。南極で江戸組紐を組む五十嵐靖晃とアレクサンドル・ポノマリョフ 撮影=鴻野わか菜(Wakana Kono)

五十嵐靖晃《時を束ねる》。無数の糸から成る本作は、人類がこれまで地球上に引いて来た国境という線のあり方を問い直す作品でもある 撮影=鴻野わか菜(Wakana Kono)

長谷川翔《ウィンターランドスケープ(南極編)》。「バッテリーとして使われることで腐食していく金属を、絵に変容(メタモルフォーゼ)させようと思った」と長谷川は語る。フィルム上に描画された像は、作家自身が写真暗室でバライタ紙にユニカットとして焼く 撮影=鴻野わか菜

イト・バラダの《抽象的地質学》。「南極の白い世界に色を持ちこみたかった」とバラダは語った 撮影=鴻野わか菜

グスタフ・ドゥージング《固体の状態—凍った綿のテント》。内部空間は聖堂を思わせる白い光で満たされている 撮影=鴻野わか菜

アレクシス・アナスタシオウ《外は寒い—大規模投影》。南極ビエンナーレのディレクター、アンナ・シュヴェツは、上映が終わった瞬間、「揺れる船から漂う氷山に投影するのは技術的にとても難しいのに、船長や航海士が船の位置を微調整し、船全体が団結してこの作品を成立させた」と熱く語った 撮影=鴻野わか菜

ホアキン・ファルガス《氷結機》。荒唐無稽に見えるこの機械について、ファルガスは「不可能なことでもやらなくてはならない」と語った。「不可能なことをやる」というのは、ポノマリョフも繰り返し述べた言葉であり、南極ビエンナーレのキーワードの一つとなった 撮影=鴻野わか菜

ポール・ロセロ・コントレラス《アリーバ!》。古くから人間の活力の源であったカカオをバイオスフェアやタイムカプセルを思わせる容器に入れて南極の氷上に設置した多義的な作品 撮影=鴻野わか菜

シタールとパソコンを組み合わせて音楽を奏でたシャマ・ラフマンは、南極での体験をもとに、現在、新曲を作曲している 撮影=鴻野わか菜

アンドレイ・クスキン《自然現象 あるいは木のある99の風景》。2010年にウィーン郊外で始めたプロジェクトで、これまでアメリカ、イスラエル、アルゼンチンなどで50回近く実施してきた。「植物になりたいというおかしな欲望」を描くことで人間を理解することの難しさを表現すると同時に、「どんな場所へ移動しても、人は基本的に変わらない存在である」ことを表しているとクスキンは語る 撮影=鴻野わか菜

アレクサンドル・ポノマリョフ《南極のアルベドの錬金術(あるいは洗う蒼い月)》。「アルベド」はラテン語で、「天体の外部からの入射光に対する、反射光の比」の意 撮影=Emilio Haag (Courtesy Antarctic Biennale)

船内にロシアの写真スタジオが設置され、南極と船上で全4回の写真展が開かれた。初回の展覧会のキュレーターは、ペテルブルクの著名な哲学者アレクサンドル・セカツキーが務めた。セカツキーは、ペンギンに哲学の講義をするパフォーマンスも実施した 撮影=鴻野わか菜(Wakana Kono)

ポノマリョフのインスタレーションを船から吊り下げるために研究船からクレーンでボートに乗せ、実施場所へ移動する 撮影=鴻野わか菜

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編集部