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2022.1.2

ベーコンからゴッホ、クィア展まで。2022年に海外で注目すべき展覧会ベスト10

2022年に海外の美術館で開催される展覧会のなかから、編集部がとくに注目したい10件を会期順に紹介する。

フィンセント・ファン・ゴッホ 自画像(パレットを持ったもの) 1889 ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵
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「Jasper Johns: Mind/Mirror」(ホイットニー美術館&フィラデルフィア美術館、2021年9月29日〜2022年2月13日)

「Jasper Johns: Mind/Mirror」(ホイットニー美術館)展示風景より Photograph by Ron Amstutz. Courtesy of the Whitney Museum of American Art

 アメリカにおけるネオダダやポップ・アートの先駆者のひとり、ジャスパー・ジョーンズ。そのこれまで最大規模の回顧展「Jasper Johns: Mind/Mirror」が、2月13日までホイットニー美術館とフィラデルフィア美術館で同時に開催されている。

 1950年代より国旗、数字、標的などを題材にした絵画を発表し始めたジョーンズは、65年以上のキャリアにおいて美術界に衝撃を与え続けている。その独創的な素材や形式を用いた作品は従来のアート作品の概念を覆し、ポップ・アート、ミニマリズム、コンセプチュアリズムなどのムーブメントを引き起こしている。

 本展では、ジョーンズの絵画やドローイング、版画、彫刻など、1954年から今日までの代表的な作品や初公開の作品を年代順に展示。各会場では、ジョーンズの思想や作品の特定の側面に焦点を当て、異なるテーマ、プロセス、イメージ、媒体、さらには感情的な状態を紹介しながら、91歳になったいまでも進化し続けるジョーンズの制作における様々な段階を探求する。

「Baselitz – The retrospective」(ポンピドゥー・センター、2021年10月20日〜2022年3月7日)

「Baselitz – The retrospective」展示風景より Courtesy of Centre Pompidou

 ドイツ新表現主義の画家、彫刻家であるゲオルグ・バゼリッツ。その大規模な回顧展「Baselitz – The retrospective」が、3月7日までポンピドゥー・センターで開催されている。

 本展では、1960年代初頭の絵画作品から、エドヴァルド・ムンク、オットー・ディクス、ウィレム・デ・クーニングなどのアーティストの作品を参照しながら独自の絵画技法を確立させた実験的な作品群、「Remix」「Time」と名付けられた自己反省的な作品まで、バゼリッツの過去60年間の代表作が年代順に紹介されている。

 具象、抽象、コンセプチュアルなアプローチのあいだを行き来しながら、美術史において確立された美的形態や形式主義につねに問いかけ続けるバセリッツのアプローチを総覧することができる。

「Francis Bacon: Man and Beast」(ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、2022年1月29日〜4月17日)