EXHIBITIONS
Mother nature -アートに観る、女性や自然と文化の相互作用-
「ネクスト・キュレーターズ・コンペティション 2021」受賞者の企画展第1弾は、板橋令子のキュレーションによる「Mother nature -アートに観る、女性や自然と文化の相互作用-」が開催された。
「ネクスト・キュレーターズ・コンペティション 2021」は、現代美術の発展を担う若手キュレーターの発掘と育成を目的としたコンペティション。エイベックス・ビジネス・ディベロップメント株式会社、エヌ・アンド・エー株式会社、D/C/F/Aの3社が共催し、審査員は、南條史生、山峰潤也、小池藍が務めた。
今回の受賞者は、板橋令子、島影圭佑、宮坂直樹の3名。それぞれ、中目黒にオープンしたN&Aアートサイトでの展覧会開催のほか、展示制作の支援や、YouTubeメディア「MEET YOUR ART」での紹介など多様な側面からのサポートを受ける。
N&Aアートサイトで、受賞者のなかから最初に展覧会を開催した板橋令子は、1992年東京都生まれ。慶應義塾⼤学経済学部卒業。学生時代はデザイン思考を用いたサービスデザインを専⾨に研究するいっぽうで、文学部の学芸員資格プログラムにてアートマネジメントやアートプロデュースの⾯⽩さを学んだ。2014年、東京で文化・交流を生み出す持続的な街づくりに携わりたいと考え、文化事業を重視する森ビル株式会社に入社。アーティストとコラボレーションした⼤型インスタレーションの企画・運営を多数経験したほか、現在は新規開発プロジェクトにおける文化施設の企画・立上げに携わる。個人の活動では、トークイベントのキュレーションおよび聞き手のほか、ウェブメディアでの記事企画・執筆などに取り組み、多様な立場から文化・芸術に関わっている。
今回のキュレーション展で板橋がタイトルとしたのは「Mother nature -アートに観る、女性や自然と文化の相互作用-」。「Mother nature」は、母なる自然という概念があるように、遥か昔から女性と自然は「生命の循環」や「無償の愛」の象徴とされてきた。それはポジティブな側面だけではなく、女性と自然を同一視し、社会が支配した歴史の表れだという見方もある。
いっぽうで、環境哲学者のイオヴォーノと環境人文科学者のオッパーマンが命名した「マテリアル・エコクリティシズム」の考え方では、女性/男性や自然/文化といった、従属/支配という従来の二項対立構造の世界観とは異なり、「女性や自然を含む世界の構成要素全ては、相互作用するエージェント(行為者)である」とし、文化芸術の側面からこの世界をオルタナティブにとらえ直すすべを提案している。
板橋はマテリアル・エコクリティシズムの考えを支持し、本展で、自身が近年抱く「日本で自然を題材とするアーティストに女性が多いのはなぜか」という疑問を共有するとともに、作品の鑑賞を通じ、自然や社会と自分との関係性を優しく見つめ直すことを目的とした。
本展には、Mikiko Kamada、北郷江、木村亜津、齋藤帆奈、辰野しずか、藤瀬朱里、村田美沙が出展。彫刻、インスタレーション、バイオ・アートなど、多様なジャンルや手法で自然の尊さを表現する7名の作品が展示され、会場には循環を象徴する落ち葉が敷き詰められ、作品や地域、そしてギャラリーが地続きに調和する構成となった。
なお受賞者による展覧会は、島影圭佑が2月に、宮坂直樹が3月に開催を予定している。
「ネクスト・キュレーターズ・コンペティション 2021」は、現代美術の発展を担う若手キュレーターの発掘と育成を目的としたコンペティション。エイベックス・ビジネス・ディベロップメント株式会社、エヌ・アンド・エー株式会社、D/C/F/Aの3社が共催し、審査員は、南條史生、山峰潤也、小池藍が務めた。
今回の受賞者は、板橋令子、島影圭佑、宮坂直樹の3名。それぞれ、中目黒にオープンしたN&Aアートサイトでの展覧会開催のほか、展示制作の支援や、YouTubeメディア「MEET YOUR ART」での紹介など多様な側面からのサポートを受ける。
N&Aアートサイトで、受賞者のなかから最初に展覧会を開催した板橋令子は、1992年東京都生まれ。慶應義塾⼤学経済学部卒業。学生時代はデザイン思考を用いたサービスデザインを専⾨に研究するいっぽうで、文学部の学芸員資格プログラムにてアートマネジメントやアートプロデュースの⾯⽩さを学んだ。2014年、東京で文化・交流を生み出す持続的な街づくりに携わりたいと考え、文化事業を重視する森ビル株式会社に入社。アーティストとコラボレーションした⼤型インスタレーションの企画・運営を多数経験したほか、現在は新規開発プロジェクトにおける文化施設の企画・立上げに携わる。個人の活動では、トークイベントのキュレーションおよび聞き手のほか、ウェブメディアでの記事企画・執筆などに取り組み、多様な立場から文化・芸術に関わっている。
今回のキュレーション展で板橋がタイトルとしたのは「Mother nature -アートに観る、女性や自然と文化の相互作用-」。「Mother nature」は、母なる自然という概念があるように、遥か昔から女性と自然は「生命の循環」や「無償の愛」の象徴とされてきた。それはポジティブな側面だけではなく、女性と自然を同一視し、社会が支配した歴史の表れだという見方もある。
いっぽうで、環境哲学者のイオヴォーノと環境人文科学者のオッパーマンが命名した「マテリアル・エコクリティシズム」の考え方では、女性/男性や自然/文化といった、従属/支配という従来の二項対立構造の世界観とは異なり、「女性や自然を含む世界の構成要素全ては、相互作用するエージェント(行為者)である」とし、文化芸術の側面からこの世界をオルタナティブにとらえ直すすべを提案している。
板橋はマテリアル・エコクリティシズムの考えを支持し、本展で、自身が近年抱く「日本で自然を題材とするアーティストに女性が多いのはなぜか」という疑問を共有するとともに、作品の鑑賞を通じ、自然や社会と自分との関係性を優しく見つめ直すことを目的とした。
本展には、Mikiko Kamada、北郷江、木村亜津、齋藤帆奈、辰野しずか、藤瀬朱里、村田美沙が出展。彫刻、インスタレーション、バイオ・アートなど、多様なジャンルや手法で自然の尊さを表現する7名の作品が展示され、会場には循環を象徴する落ち葉が敷き詰められ、作品や地域、そしてギャラリーが地続きに調和する構成となった。
なお受賞者による展覧会は、島影圭佑が2月に、宮坂直樹が3月に開催を予定している。