EXHIBITIONS

季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~

2022.01.18 - 03.27

桜に杉図屏風 桃山時代・16世紀、6曲1双のうち(左隻) 大倉集古館蔵

桜に杉図屏風 桃山時代・16世紀、6曲1双のうち(右隻) 大倉集古館蔵

吉野山蒔絵五重硯箱 江戸時代~明治・19世紀、1具 大倉集古館蔵

琵琶 江戸時代・18~19世紀、1面 大倉集古館蔵

玉畹梵芳筆 墨蘭図 室町時代・15世紀、1幅 大倉集古館蔵

李之洪筆 《清朝名人便面集珍》のうち「梅椿に白頭翁図」 中国清時代・18世紀、1図 大倉集古館蔵

 大倉集古館が企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~」を開催する。

 古くより人々は、表情を変える自然の姿に美や意味を見出し、そのかたちを写し取ろうと試みてきた。季節ごとの花や鳥の美しさ、山岳や河川の雄大さ、そして変転する天象や地象を造形化したものは、その姿形や特徴から吉事の兆しと認識されるようになる。さらに思想や文学との影響関係から「型」や「寓意」が与えられるようになり、私たちに広く共有されるようになった。そして、移りゆく季節のイメージは、人々の人生観と結びつき、人生や心情を表現する媒体としての役割も担うようになった。

 本展は全2章で構成し、花鳥や山水などの自然の姿を写した大倉集古館所蔵の絵画・書跡・工芸品を取り上げる。季節や時の移ろいを意識しながら、そこに込められた意味や表現方法などを探る。

 第1章「和の世界~春と秋の造形~」では、日本人の季節観に影響を与えた和歌や物語を背景とした「和」の世界の自然描写に注目し、春の桜と、秋の草花を題材とした作品を中心に紹介。続く第2章「漢の世界~水墨の花鳥山水~」では、儒教を土台とした価値観や古典の教養にふれつつ、水墨画や漢詩の作品を中心とした「漢」の世界の花鳥・山水の作品を展示する。