EXHIBITIONS

今を生きる禅文化

―伝播から維新を越えて―

狩野山楽筆 龍虎図屏風(左隻) 安土桃山~江戸時代 京都妙心寺蔵 重要文化財 後期展示

狩野山楽筆 龍虎図屏風(左隻) 安土桃山~江戸時代 京都妙心寺蔵 重要文化財 後期展示

狩野山楽筆 龍虎図屏風(右隻) 安土桃山~江戸時代 京都妙心寺蔵 重要文化財 後期展示

九条袈裟 夢窓疎石料 絶海中津相伝 南北朝時代 高知吸江寺 後期展示

伊藤若冲筆 中鶏図左右梅図(中幅) 江戸時代 京都鹿苑寺 全会期展示

 茶の湯や水墨画などの文化の形成において重要な役割を果たしてきた禅宗。その歴史を総覧する。

 インドで誕生した禅宗は、鎌倉時代に日本に伝播。将軍家のみならず天皇家からも信頼を集めて発展した。また、留学僧たちが中国から持ち帰った文化は、茶の湯や水墨画の成立に影響を与えることとなった。さらに江戸時代には、白隠慧鶴が生みだしたわかりやすい禅画によって民衆にもその教えが伝播し、日本文化の形成に寄与。土佐からは、「五山文学の双璧」と称される義堂周信や絶海中津ら、禅宗の発展に貢献した高僧たちも輩出した。

 本展では、京都をはじめ県内外の禅宗寺院の珠玉の名宝約100点を展示。臨済宗を中心とした禅宗の歴史を大観し、明治維新期の廃仏毀釈という苦難を越えてなお現代に息づく禅文化を紹介する。