EXHIBITIONS
田村琢郎「5W<1H」
MAKI Gallery / 表参道で、田村琢郎の個展「5W<1H」が開催。ペインティングと立体作品で構成される50点超の新作を紹介する。
田村は1989年大阪府生まれ。2016年に京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)を卒業したのち、名和晃平率いるアーティスト集団SANDWICHでアシスタントをしながら制作を続けていた。バンクシーと名和晃平に影響を受けたという田村は、物事を俯瞰してとらえ、もともとあった文脈から切り離して提示する。そうすることでものの在り方を見直し、そこに強いメッセージを加えていく。
例えば、本展でも展示される「Lovers」のシリーズは、カーブミラーをからませるというたったそれだけで、離れがたい恋人たちとして擬人化し、作品として昇華させたもの。田村は場所を置き替えたり、別の要素を取り込んだりすることで文脈の差し替えを行い、そこで見えてくる新しい意味や隠されていた意味を取り出す。
今回、「Lovers」シリーズは、自立する彫刻から壁面へと移行し、ひとり物欲しそうな孤独な鏡は憧れを抱きながら恋人たちを見つめる。同シリーズに加え、「もし道路が舗装されていなかったら、どんなに多くの植物が育っていただろうか?」と考え、制作するアスファルトペインティングを発展させた作品などを展示。そして、「作品にどのように付加価値が与えられるのか?」という問いから生まれた新シリーズ「Sold Painting」を初披露する。
本展のタイトルとした「5W1H」とは一般的に、Wを頭文字とする5つの英単語であるWho(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、そしてHow(どのように)を指し示す言葉。あらゆる状況下で問われるベーシックかつ根本的な要素のなかでも、田村にとっては取り分け「How(どのように)」が重要であり、この考えは作品制作へのアプローチにも結び付いている。
「How(どのように)」へと絶え間なく焦点を当てることで、田村はクリティカルな視点で自身の存在を考察し、結果として鑑賞者に周囲をよりよく見つめるよう働きかける。「集団意識をどのようにとらえ、いまの時代の価値観を作品へ組み込むことができるのか?」、田村の芸術実践はこのような問いに突き動かされ、この問題にかかわる独自の観察と解釈の領域を継続して広げている。この機会に、田村作品の過去最大級となるプレゼンテーションを会場で楽しんでほしい。
田村は1989年大阪府生まれ。2016年に京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)を卒業したのち、名和晃平率いるアーティスト集団SANDWICHでアシスタントをしながら制作を続けていた。バンクシーと名和晃平に影響を受けたという田村は、物事を俯瞰してとらえ、もともとあった文脈から切り離して提示する。そうすることでものの在り方を見直し、そこに強いメッセージを加えていく。
例えば、本展でも展示される「Lovers」のシリーズは、カーブミラーをからませるというたったそれだけで、離れがたい恋人たちとして擬人化し、作品として昇華させたもの。田村は場所を置き替えたり、別の要素を取り込んだりすることで文脈の差し替えを行い、そこで見えてくる新しい意味や隠されていた意味を取り出す。
今回、「Lovers」シリーズは、自立する彫刻から壁面へと移行し、ひとり物欲しそうな孤独な鏡は憧れを抱きながら恋人たちを見つめる。同シリーズに加え、「もし道路が舗装されていなかったら、どんなに多くの植物が育っていただろうか?」と考え、制作するアスファルトペインティングを発展させた作品などを展示。そして、「作品にどのように付加価値が与えられるのか?」という問いから生まれた新シリーズ「Sold Painting」を初披露する。
本展のタイトルとした「5W1H」とは一般的に、Wを頭文字とする5つの英単語であるWho(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、そしてHow(どのように)を指し示す言葉。あらゆる状況下で問われるベーシックかつ根本的な要素のなかでも、田村にとっては取り分け「How(どのように)」が重要であり、この考えは作品制作へのアプローチにも結び付いている。
「How(どのように)」へと絶え間なく焦点を当てることで、田村はクリティカルな視点で自身の存在を考察し、結果として鑑賞者に周囲をよりよく見つめるよう働きかける。「集団意識をどのようにとらえ、いまの時代の価値観を作品へ組み込むことができるのか?」、田村の芸術実践はこのような問いに突き動かされ、この問題にかかわる独自の観察と解釈の領域を継続して広げている。この機会に、田村作品の過去最大級となるプレゼンテーションを会場で楽しんでほしい。