永畑智大「Baby Oil On Canvas」

　LOKO GALLERYでは、国立奥多摩美術館（東京都青梅市）を中心に活動をしている作家、永畑智大の個展「Baby Oil On Canvas」を開催する。

　永畑は1983年東京都生まれ。2010年武蔵野美術大学彫刻学科卒業。国立奥多摩美術館副館長を務める傍ら、マンガ家としてファミリーレストラン名義で雑誌『アックス』（青林工藝舎）にて連載を持つ。主な個展に「こまわり大陸からの、かたどり記念日」（Art Center Ongoing、東京、2020）、「 IT’ OK」（PS2 ギャラリー、北アイルランド、2015）などがある。

「VOCA展2021」にて、絵画・マンガ・彫刻が渾然一体となった巨大な作品が印象的だった永畑。本展では永畑作品を語るうえで外せない、三本柱を中心とした新作インスタレーション作品を発表する。

　日常とフィクションを交えて作品に取り込む永畑は、今年はじめに子供を授かったことも必然的に作品へ反映させ、新たな試みとして、彫刻ができるまでを家族総出演の映像作品としてまとめ上げた。永畑の心から射出されるダイナミックなペインティングや、「ぐにゃぐにゃの彫刻」が生み出す不思議な世界が、現在の社会を覆う閉塞感のなかで私たちが失った感覚を呼び戻してくれるかもしれない。