EXHIBITIONS

青秀祐、江川純太「色相は8月の冗談でした」

2021.09.03 - 09.18

江川純太 あなたの痛みを想像で分解する 2021

江川純太 想像の他者3 2021

江川純太 想像の他者4 2021

青秀祐 Assembly/001-A 2021

青秀祐 Module/001-A 2021

 eitoeikoは今年9〜12月まで連続展「日本文化をめぐる4つの展覧会」を企画。その第1回として、青秀祐と江川純太の2人展「色相は8月の冗談でした」を開催する。

 航空機と航空産業を主題に大型のインスタレーションを発表する青秀祐(1981年生まれ)と、油彩画を中心に抽象表現の可能性を追求する江川純太(1978年生まれ)。趣味も性格も作品の方向性も著しく異なる2人は、多摩美術大学でともに日本画を学び、卒業後もアトリエをシェアし活動している。

 2人の共通点と言えば、高校時代は運動部に所属しそれぞれテニスとバスケットボールに励んでいたスポーツマンであったこと。もうひとつは美術家としてのキャリアの初期から日本画という枠組みを大きく外れていることが挙げられる。

 江川は油彩を用いて身体性の高い抽象表現を手がけ、筆致や顔料と画面の接触する瞬間の出来事に重きを置いた作品で、トーキョーワンダーウォール賞を受賞、VOCA展に出品。いっぽう、航空機と航空産業を主題に様々な作品を展開する青は、「大下図」から「本画」、あるいは「材料」から「画材」にする日本画表現のあり方から発展した応用美術の現在形を示している。

 日本画を専攻するなかで、表現媒体の選択と決定や、制作工程をシミュレーションする方法論を独自に学び発展させてきた青と江川。展覧会タイトルの「色相は8月の冗談でした」は、2人の名前「SHUSUKE AO」と「JUNTA EGAWA」のアナグラムである「A HUE WAS AN AUGUST JOKE」と、そのアナグラムをGoogle翻訳したもの。日本画を分解し組み替え、まったく異なるものとなっていても、その成分はじつは同じものから構成されているという両作家の活動を表している。