EXHIBITIONS

ジョナサン・チャプリン

2021.07.22 - 08.15, 2021.07.27 - 08.21

ジョナサン・チャプリン Standing Figures I(Dusk) 2021

ジョナサン・チャプリン個展「Statuesque」(NANZUKA 2G、東京、2021) © Jonathan Chapline Courtesy of NANZUKA

ジョナサン・チャプリン個展「Statuesque」(NANZUKA 2G、東京、2021) © Jonathan Chapline Courtesy of NANZUKA

ジョナサン・チャプリン個展「Statuesque」(NANZUKA 2G、東京、2021) © Jonathan Chapline Courtesy of NANZUKA

ジョナサン・チャプリン個展「Statuesque」(NANZUKA 2G、東京、2021) © Jonathan Chapline Courtesy of NANZUKA

 ブルックリン在住の若手アーティスト、ジョナサン・チャプリンの新作個展「Statuesque」がNANZUKA 2Gで開催中。本展は3110NZ by LDH kitchenでの「Private Domain」展と同時期開催となる。

 チャプリンは1987アメリカ・ジョージア州サバンナ生まれ。2010年ロードアイランドスクールオブデザイン卒業。物体の形状、物体をとらえる視点、物体表面の質感/テクスチャー、光源、シェーディングなど、チャプリンは自身の絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、前もって3Dプログラムを駆使したコンピュータの画面上でシミュレートする。

「レンダリング」と呼ぶ、このような制作手法は、画家の目がスケッチを通して育まれていくという美術史上の古典的神話をあたかも否定しているかのように見えるが、チャプリンは興味深いことに、セザンヌやピカソ、レジェ、マティスなどの作品を研究対象とし、自身の特徴的なスタイルで再解釈した作品を多数描いている。

  本展の新作は、1日の移り変わる光を用いて時間と空間の関係性を表現しようというチャプリンの新しい試みを垣間見ることができる。新作のペインティング《Disassembled Home(分解された家)》では、あたかもドールハウスのパーツのように家の構成要素がバラバラに配置されて描かれているように見えるが、空間を一体化させる光の演出によって、私たちはそこに明確な関係性を見出すことができる。このようにデジタルツールを駆使することで、人間の視覚認識領域を広げようとする試みは、鉛筆と同じようにマウスを使いこなすことのできるデジタル世代を自負するチャプリンにとって、クリエイティブな実験と遊びの実践とも呼べるものだ。

「Statuesque」展(NANZUKA 2G)の会期は8月15日まで、「Private Domain」展(3110NZ by LDH kitchen)は8月21日まで。