EXHIBITIONS

安藤正子展「Portraits」

安藤正子 パイナップルII 2020 © Masako Ando

安藤正子 ニットの少女II 2020 © Masako Ando

安藤正子 眠れない 2018 © Masako Ando

安藤正子 生きている首 2020 © Masako Ando

安藤正子 拾ってください 2020 © Masako Ando

 アーティスト・安藤正子の5年ぶりとなる個展「Portraits」が小山登美夫ギャラリーで開催される。

 安藤は1976年愛知県生まれ。2001年に愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。大学では、多くのアーティストに影響を与えた櫃田伸也のもとで制作を行う。現在は緑豊かな愛知県瀬戸市を拠点に活動。作品は非常に時間を必要とする手法のため、年に数点というペースで発表している。04年に小山登美夫ギャラリーで初個展を開催。現在、愛知県立芸術大学准教授を務める。

 子供や毛糸の編み物、動物や草花などをモチーフとした安藤の作品。油絵具の特質を生かし、緻密な描写や大きな余白などの画面構成など、様々な絵画的要素のなかで生み出された、滑らかな絵肌のペインティング作品と、それと対照的に硬質な質感の精緻な鉛筆ドローイングは、日々の暮らしの事象が切れ切れの記憶や言葉の断片などと結びつき、綯い交ぜとなった詩的な作品世界が、12年の原美術館での個展「ハラ ドキュメンツ 9 安藤正子―おへその庭」で大きな反響を呼んだ。

 それから作家は、瀬戸への引っ越し、第二子の出産などの生活の変化に加え、17年に参加した「リアル(写実)のゆくえ」展(平塚市美術館ほか)において日本近代絵画への新たな視点を得たと言う。安藤は制作を重ねるなかで、自身が見ているのは、人の表情や着ている服の柄、その人の居る状況や気配といったものだと気づき、その空気感を大きくつくる感覚と状況の細部、その双方をいかにして実現させるかということが作品の重要な主題のひとつとなった。そしてまず自身の感覚に合ったのは、木炭紙に木炭で描くことだった。

 本展「Portraits」の出展作は、安藤の新しい表現への模索の成果を見せるもの。初公開の木炭、鉛筆、水彩によるドローイングと、瀬戸市での暮らしのなかで身近となった素材から新境地を開いた、自身初の陶のレリーフ作品を展示する。