EXHIBITIONS

静岡市立芹沢銈介美術館開館40周年記念展~春編~

のれんときもの

芹沢銈介 童児文のれん 1970

芹沢銈介 苗代川文着物(部分) 1955

 1981年、86歳の芹沢銈介(1895〜1984)が展示の指揮を取り、自身がテープカットをして開館した芹沢銈介美術館。染色工芸家の出身地・静岡にある同館は今年、開館40周年を迎えることを記念し、芹沢銈介が愛した「春」「夏」「秋」「冬」になぞらえて4回の展覧会を開催する。

 芹沢は、東京高等工業学校(現・東京工業大学)図案科を卒業後、生涯の師である柳宗悦と、沖縄の染物・紅型(びんがた)に出会ったことをきっかけに、型染めを中心とした染色の道を歩み始めた。以降、従来の染色の枠組みにとらわれない、新鮮で創意あふれる作品を次々と制作し、生涯を通じて明快かつ温和な作風を貫いた。その創作はいまも多くの人々に愛されている。

 開館40周年記念の「春」編となる本展では、芹沢の型染作品に焦点を当て、芹沢作品のなかでもとくに人気がある「のれん」と「着物」を特集。「のれん」からは「童児文のれん」など25点、「着物」からは「苗代川文着物」ほか12点を展示し、芹沢の豊かな発想と華やかな色彩を紹介する。