EXHIBITIONS
ミケル・バルセロ展
スペイン現代美術界の巨匠、ミケル・バルセロの創作の全貌を紹介する日本初の展覧会が開催される。
バルセロは1957年、スペイン・マジョルカ島ファラニチ生まれ。パルマ・デ・マジョルカの美術学校でドローイングと立体表現を学んだ。76年、前衛芸術家集団のハプニング活動に参加。同年の初個展では、絵画と食べ物や有機物を組み合わせる試みとして、様々な物体を入れた箱の作品を発表する。ドクメンタ7(ドイツ・カッセル、1982)で国際的にデビューして以降、スペインをはじめ世界各地のギャラリーや美術館で作品を展示。80年代にはヨーロッパやアメリカ合衆国などを巡り、西アフリカには88年に初めて訪れて以来、マリにアトリエを構え繰り返し滞在している。
第53回ヴェネチア・ビエンナーレ(2009)にスペイン代表として参加。これまで、パルマ大聖堂(スペイン・マジョルカ島)のサン・ぺール礼拝堂の装飾(2007)や、スイスの国連本部の天井画(2008)などを手がけるほか、ジョゼフ・アヴィニョン演劇際(フランス)での公演「パソ・ドブレ」(2006)などの舞台芸術にも携わる。またパフォーマンスも精力的に上演。先史時代の洞窟壁画や動物描写に強い関心を持ち、2015年にショーヴェ洞窟(フランス・アルデシュ)のレプリカが一般公開される際にはプロジェクトの推進メンバーに名を連ねた。13年、フランス文化省より芸術文化勲章「オフィシエ」を受章。20年にはスペイン・ カタルーニャ自治州政府よりサン・ジョルディ十字勲章を授与される。
パブロ・ピカソやジョアン・ミロといった、同じスペイン出身の巨匠たちのように、豊かな創造性を多様なジャンルで発揮してきたバルセロ。生地マジョルカ島の豊かな風土、異文化が交差する大都市パリ、太陽が燦々と照らすアフリカの乾いた大地、峻厳たるヒマラヤの高原など、バルセロは世界各地にアトリエを構え制作するなかで自身の芸術を確立させてきた。
その作品では動植物、海と大地、闘牛、肖像といったテーマが確固たる地位を占めており、いずれも作家の自然世界に対する深い愛情や尊敬、畏怖の念に根差している。またバルセロはスペイン近現代美術の伝統的な潮流にも関心を寄せつつ、鋭敏な感性をもって国際的な現代美術のコンテクストも視野にとらえてきた。多彩な相貌を見せるバルセロ芸術の全容を、本展では初期から現在に至るまでの作品約100点によって紹介する。
大きなキャンバス作品、自在なかたちを作り出す陶の作品、高度な技術と独創的な技法によるブリーチ(漂白)絵画、そして世界各地の風土をとらえた瑞々しいスケッチや水彩画など。バルセロが切り開いてきた芸術の地平の広大さを、国内で堪能できる貴重な機会となる。
なお本展は国立国際美術館での開催後、長崎県美術館、三重県立美術館、東京オペラシティ アートギャラリーへ巡回予定。
※国立国際美術館は、4都府県に対する緊急事態宣言の発令および政府からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、4月25日〜当面のあいだ臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトへ。
バルセロは1957年、スペイン・マジョルカ島ファラニチ生まれ。パルマ・デ・マジョルカの美術学校でドローイングと立体表現を学んだ。76年、前衛芸術家集団のハプニング活動に参加。同年の初個展では、絵画と食べ物や有機物を組み合わせる試みとして、様々な物体を入れた箱の作品を発表する。ドクメンタ7(ドイツ・カッセル、1982)で国際的にデビューして以降、スペインをはじめ世界各地のギャラリーや美術館で作品を展示。80年代にはヨーロッパやアメリカ合衆国などを巡り、西アフリカには88年に初めて訪れて以来、マリにアトリエを構え繰り返し滞在している。
第53回ヴェネチア・ビエンナーレ(2009)にスペイン代表として参加。これまで、パルマ大聖堂(スペイン・マジョルカ島)のサン・ぺール礼拝堂の装飾(2007)や、スイスの国連本部の天井画(2008)などを手がけるほか、ジョゼフ・アヴィニョン演劇際(フランス)での公演「パソ・ドブレ」(2006)などの舞台芸術にも携わる。またパフォーマンスも精力的に上演。先史時代の洞窟壁画や動物描写に強い関心を持ち、2015年にショーヴェ洞窟(フランス・アルデシュ)のレプリカが一般公開される際にはプロジェクトの推進メンバーに名を連ねた。13年、フランス文化省より芸術文化勲章「オフィシエ」を受章。20年にはスペイン・ カタルーニャ自治州政府よりサン・ジョルディ十字勲章を授与される。
パブロ・ピカソやジョアン・ミロといった、同じスペイン出身の巨匠たちのように、豊かな創造性を多様なジャンルで発揮してきたバルセロ。生地マジョルカ島の豊かな風土、異文化が交差する大都市パリ、太陽が燦々と照らすアフリカの乾いた大地、峻厳たるヒマラヤの高原など、バルセロは世界各地にアトリエを構え制作するなかで自身の芸術を確立させてきた。
その作品では動植物、海と大地、闘牛、肖像といったテーマが確固たる地位を占めており、いずれも作家の自然世界に対する深い愛情や尊敬、畏怖の念に根差している。またバルセロはスペイン近現代美術の伝統的な潮流にも関心を寄せつつ、鋭敏な感性をもって国際的な現代美術のコンテクストも視野にとらえてきた。多彩な相貌を見せるバルセロ芸術の全容を、本展では初期から現在に至るまでの作品約100点によって紹介する。
大きなキャンバス作品、自在なかたちを作り出す陶の作品、高度な技術と独創的な技法によるブリーチ(漂白)絵画、そして世界各地の風土をとらえた瑞々しいスケッチや水彩画など。バルセロが切り開いてきた芸術の地平の広大さを、国内で堪能できる貴重な機会となる。
なお本展は国立国際美術館での開催後、長崎県美術館、三重県立美術館、東京オペラシティ アートギャラリーへ巡回予定。
※国立国際美術館は、4都府県に対する緊急事態宣言の発令および政府からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、4月25日〜当面のあいだ臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトへ。