EXHIBITIONS

戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇

2020.10.24 - 2021.01.10

戸嶋靖昌 アルバイシンの男―ミゲールの像 1990 戸嶋靖昌記念館蔵

戸嶋靖昌 秋田原景 1965 戸嶋靖昌記念館蔵

戸嶋靖昌 風景との間の静物―乾いたメンブリージョ 1997 戸嶋靖昌記念館蔵

 秋田を祖とする画家・戸嶋靖昌(としま・やすまさ)の画業の全貌を明らかにする展覧会「戸嶋靖昌展 -縄文の焔と闇」が秋田県立美術館で開催されている。

 戸嶋は1934年生まれ。秋田県鷹巣町(現・北秋田市)を父祖の地とする洋画家。父の赴任先である栃木県塩谷郡で誕生した戸嶋は、ほどなく秋田に戻り、幼少期を秋田で過ごした。大館鳳鳴高等学校から武蔵野美術学校へ進学し、卒業。40歳のときに渡ったスペインで30年近く制作を行った。
 
 戸嶋の作品は、厳しい自己否定、自己の葛藤をキャンバスに叩きつけた独自の様式が特徴。人間の存在そのものを燃焼させた焔のような画面は、スペイン時代の修練からもたらされたもので、戸嶋の根源には、その血脈に潜む反骨の精神と、縄文時代の生命力を秘めた秋田の風土がある。

 本展では、初公開となる大型作品を含む油彩画、彫刻作品約120点を展示。そして、戸嶋を撮影した写真や遺品などを加えた200点以上の資料の展観により、その画業の全貌と孤高の人物像を浮き彫りにする。

 なお本展の開催に合わせ、執行草舟(しぎょう・そうしゅう、戸嶋靖昌記念館 館長)にインタビューした動画「戸嶋靖昌とは何ものか」を特設サイトにて公開中。