EXHIBITIONS

特別展「先住民の宝」

彫像(マレーシア オラン・アスリ) 国立民族学博物館蔵

仮面(マレーシア オラン・アスリ) 国立民族学博物館蔵

アクリル点描画 Janet Herbert 作(オーストラリア アボリジニ) 国立民族学博物館蔵

仮面(ネパール ネワール) 個人蔵

女性用衣服(グアテマラ マヤ) 国立民族学博物館蔵

銅板紋章 Gerry Marks 作(カナダ ハイダ) 国立民族学博物館蔵

ナイフ(北欧 サーミ) 国立民族学博物館蔵

山刀(日本 アイヌ) 国立民族学博物館蔵

 国立民族学博物館が特別展「先住民の宝」を開催。先住民が守り伝えてきた誇りであり、伝統と希望をつなぐ「宝」と、民族の多様性を紹介する。

 世界では現在、70ヶ国以上に約3億7000万人の先住民が暮らしており、その民族の数は少なくとも5000と言われている。西欧列強の植民地化などにより、先住民は苦難の歴史を歩み、いまもなお圧政や差別に苦しむ地域がある。本展で展示される「先住民の宝」は金銀財宝ではなく、圧政や差別に苦しみながらも、希望を失わず日々を力強く生きてきた先住民たちにとっての心の拠り所であり、民族としての誇りでもある。

 本展では、国立民族学博物館に所属する研究者の最新の研究成果をもとに、9つの国(オーストラリア、マレーシア、台湾、ネパール、グアテマラ、アフリカ、カナダ、北欧、日本)や地域に暮らす先住民を取り上げ、先住民の歴史や現在の暮らし、抱えている問題や国家の課題など、先住民を取り巻く状況を紹介する。

 先住民にとっての「宝」は、大切にしている家族や仲間、海や森などの自然環境や生活用具、また祭りや儀礼、伝統芸能、あるいは先住民の心のなかにある民族の誇りやこの世には存在しない精霊や祖先など、様々でありながらいずれも、日々の生活にあたたかな光を与えるもの。本展を通して、先住民の歴史や現状だけでなく、民族の誇りや継承されてきた文化の魅力、そして先住民たちが抱く未来への希望を感じ取ってほしい。