EXHIBITIONS

開館40周年記念

新収蔵 清水多嘉示 石膏原型の全貌

2020.07.06 - 09.13

グラン・ショーミエール美術学校時代の清水多嘉示 提供=清水多嘉示資料アーカイブ

グラン・ショーミエール美術学校時代の清水多嘉示 提供=清水多嘉示資料アーカイブ

清水多嘉示 みどりのリズム 1951

展示風景より 屋外モニュメントの石膏原型をふくめ、清水多嘉示の彫刻を概観できる

展示風景より 清水多嘉示 みどりのリズム 1951 武蔵野美術大学蔵

 清水多嘉示(1897〜1981)は、屋外モニュメントに対する時代の要請を受け、構築的な人体彫刻の時代を築いたアントワーヌ・ブールデルに師事した彫刻家。作家の故郷の地において、その作品の系譜と全貌を読み解く特別展が開催されている。

 長野県諏訪郡原村で生まれた清水。1923~28年にフランスでの彫刻修行の後に帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)の創設に参画し、近代彫刻の神髄を日本に伝え、51年サンフランシスコ講和条約の締結を記念して制作された代表作《みどりのリズム》により、戦後日本で展開されるパブリック・アートの礎を築いた。

 八ヶ岳美術館の開館40周年を記念して開催される本展は、これまで武蔵野美術大学との共同研究で修復を行い、寄贈によって現存する清水の石膏原型のほぼすべてが揃う、日本有数の石膏原型コレクションを公開する。

 また本展では石膏原型とともに、清水を世界へと羽ばたかせたゆかりの人々や同時代の芸術家との交流を示す資料、清水の芸術とその底流でつながる諏訪の歴史的ルーツについても検証。文化財写真の第一人者写真家・李政勲(イ・ジョンフン)の撮影による作品写真も展示。近代彫刻史の新証言となる、清水多嘉示の石膏作品の全貌を紹介する。

※本展は新型コロナウイルス感染症対策本部の決定方針に基づき、2020年4月からの会期を変更して開催。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。