EXHIBITIONS

砂守勝巳 黙示する風景

2020.02.22 - 05.10

砂守勝巳 雲仙、長崎 1993-95

砂守勝巳 沖縄 1987-1991

砂守勝巳 釜ヶ崎、大阪 1998-99

砂守勝巳 関目、大阪 1981

 沖縄出身の写真家・砂守勝巳(すなもり・かつみ)の初となる大規模個展が開催。本展は、砂守の作品を「生前の砂守がその仕事に見合うだけの評価を得られなかった」と評した、美術評論家の椹木野衣をゲスト・キュレーターに迎える。

 砂守は1951年沖縄本島生まれ。奄美大島で少年時代を送り、15歳で大阪に移住。プロボクサー(神林拳闘会)を経て写真家となった。75年大阪写真専門学校(現・大阪ビジュアルアーツ専門学校)卒業。84年、ドキュメント・フォト集『大阪流転』で月刊プレイボーイ誌のドキュメント・ファイル大賞奨励賞を、96年に写真集『漂う島とまる水』で第15回土門拳賞・第46回日本写真協会新人賞を受賞。2009年6月、胃ガンのため57歳で逝去した。

 生前、砂守は写真週刊誌を中心に活動する傍らで、沖縄米軍に軍属し、生き別れとなった父を訪ねた旅を主題にした作品も残している。著書に『カマ・ティダ - 大阪西成』(IPC、1989)、『オキナワン・シャウト』(筑摩書房、1992/『沖縄シャウト』と改題、講談社文庫、2000)、『漂う島 とまる水』(クレオ、1995)、『オキナワ紀聞』(双葉社、 1998/『沖縄ストーリーズ』に改題、ソニーマガジンズ、2006)などがある。

 本展では、90年代初頭の長崎・島原半島での大規模噴火被災をとらえた「雲仙」、故郷を撮影した「沖縄」、80年代から大阪で長期的に取り組んだ「釜ヶ崎」、原爆で被災した在日の韓国・朝鮮人を訪ねた「在日朝韓被爆者」など、未発表の連作を含む約100点を展示。没後10年を経た写真家・砂守勝巳を再発見し、その仕事に光を当てる。

※新型コロナウイルス感染の拡大状況次第では、今後会期変更の可能性あり。