野村佐紀子 写真展"GO WEST"

　野村佐紀子は、人物や男性ヌードなどを撮影した、静謐な作品で知られる新進気鋭の写真家。モノトーンの色彩を基調とした深度ある写真表現を通して、人間と愛の本質を静かに伝えてきた。

　近年は夜と朝のあわいを想像させる作品や、寝室に横たわるモデルの肢体によって、死と隣り合う人の生の儚さを暗示する写真などを発表。その写真は、闇の奥に、言葉も音も届かない遠い世界を想像させる。

　本展では、野村の写真の導きで、西へと旅する展示を構成。野村の故郷・山口を起点に、台湾、中国・ハルピン、インド、パリ、スペイン・グラナダなど、旅先で撮影された写真や展覧会のために制作された新作が並ぶ。