EXHIBITIONS

ハワイ:日本人移民の150年と憧れの島のなりたち

ワイアケア日本語小学校 1903〜04頃 JICA横浜 海外移住資料館蔵(大槻幸之助資料)

元年者の名簿 1871年 ハワイ州立文書館蔵/提供=東京大学史料編纂所

大槻幸之助とロバート・アーウィンの約定書 1885年 JICA横浜 海外移住資料館蔵(大槻幸之助資料)

ハワイ併合時のイオラニ宮殿 1898年8月12日 ハワイ州立文書館蔵

モイリリマーケット(モイリリ地区) 1938年6月18日 提供=Hawaii Times Photo Archives Foundation

マキキ聖城キリスト教会(オアフ島ホノルル) 2018年11月 撮影=原山浩介

 ハワイの近現代史と、150年続く日本との交流の歴史に焦点を当てた展覧会が開催されている。

 日本のハワイへの移住が始まったのは19世紀のこと。プランテーション労働者としてハワイに移り住んだ日本人の子孫の数は増え続け、その人口は太平洋戦争開戦前にはハワイの全人口の3分の1を占めるまでになった。

 真珠湾攻撃後には、ハワイは戒厳令下に置かれるとともにそれまで以上に多くの米軍関係者が滞在。そうしたなかで日本人・日系人の一部は敵性外国人として強制収容されたいっぽうで、多くの日系二世がアメリカ人として軍務に就いた。そのなかには、ヨーロッパ戦線へと送られた者、日本語を理解できることから対日戦略に動員され、日本の占領に動員された者などがいた。

 第二次世界大戦終結後の1940年代後半〜50年代は、ハワイ民主革命が起き、アメリカ合衆国の属州となるなど国内情勢が大きく変容。日本から見たハワイは憧れの観光地として、大衆文化のなかに根づいていった。そして冷戦、経済成長を時代背景に、今日のハワイのイメージの骨格が形成された。

 本展は、こうしたハワイの歴史を、ハワイ大学やスタンフォード大学所蔵の歴史資料、国内の移民関係コレクションなどの貴重な資料でたどるもの。日本人以外の移民にも焦点を当て、多文化の衝突と共生、エスニックマイノリティ、戦争や移民など、今日の社会において重要な課題に向き合う。