EXHIBITIONS

ラウル・デュフィ展

絵画とテキスタイル・デザイン

ラウル・デュフィ ニースの窓辺 1928 島根県立美術館蔵

イヴニング・コート《ペルシア》 ドレス・デザイン原案=ポール・ポワレ(1911) 制作=モンジ・ギバン(2007) 絹 デュフィ・ビアンキーニ蔵

ラウル・デュフィ オルフェウスの行列 1913 絹織物 デュフィ・ビアンキーニ蔵

ラウル・デュフィ 夏〔デザイン原画〕 1925 デュフィ・ビアンキーニ蔵

 華やかで明るい色彩と軽妙な筆致の作品で、現代でも多くの人々を惹きつける画家、ラウル・デュフィ。陽光があふれる穏やかな南仏の海と活気ある室内を描いた《ニースの窓辺》をはじめ、音楽や社交をテーマとした油彩画によって生きる喜びを表現した。

 デュフィは、絵画制作に加えて1912〜28年まで、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のためにテキスタイルのデザインを提供。鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを魅了し大評判となった。

 本展では、モダンで優美な絵画と、モードの帝王ポール・ポワレも重用した絹織物を含むデュフィのテキスタイル・デザインの関連作品を一堂に展示。絵画は、美術学校時代の優品《グラン・ブルヴァールのカーニヴァル》から晩年の作品《花束》、音楽をテーマにした絵画など代表作16点が並ぶ。

 いっぽうテキスタイル・デザインの展示では、ビアンキーニ=フェリエ社のアーカイヴを引き継いだデュフィ・ビアンキーニから、デザイン原画や下絵、オリジナルテキスタイル、プリント生地のための試し刷り、そして復刻生産されたテキスタイルによる衣装作品などを紹介する。

 本展は、絵画とテキスタイル・デザインという2つの分野で生み出された作品群を展観し、デュフィが目指した表現の本質と作品に付随する装飾性の意義に迫る。