EXHIBITIONS

シリーズ「今、世界で評価され続けているアジア人作家」

靉嘔 レインボー88 AY-O: RAINBOW 88

靉嘔 行くものはかくの如しか昼夜をおかず A 1998 作家蔵

靉嘔 水金地火木土天海冥・今何時・白亜紀多 2016 作家蔵

靉嘔 フィンガー・ボックス・キット(参考画像) 1963頃 作家蔵

 「今、世界で評価され続けているアジア人作家」シリーズの第3弾では、「虹のアーティスト」として知られ、国際的に活動をしてきた作家・靉嘔(あいおう)の創造の軌跡をたどる。

 靉嘔は1931年茨城県出身。53年、瑛九主宰のデモクラート美術家協会に参加。58年に渡米し、60年代には前衛美術運動「フルクサス」に参加。人間の五感に訴える作品や周囲の環境を取り込んだインスタレーションを発表した。同じ頃、光のスペクトルを取り入れた独自のスタイルを確立し、代表作「レインボー・シリーズ」を生み出した。

 およそ50年間ニューヨークを主な拠点とし、2008年に帰国。多くの国際展で出品するほか、近年は「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」(東京都現代美術館、2012)、「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」(広島市現代美術館、2012〜13)など国内の公立美術館で大規模な個展が開催された。

 本展では、代名詞である「レインボーシリーズ」の絵画と版画を中心に、「フルクサス」時代の貴重な作品、またエンヴァイラメント(環境芸術)作品などをあわせて展示。さらに、作家が新たな試みとして近年手がける「恐竜シリーズ」も公開される。