EXHIBITIONS

池田龍雄展 1950-60年代

2019.01.07 - 01.19

池田龍雄 ジャズの窓10 1961

池田龍雄 ジャズの窓1 1961

池田龍雄 無題 1950頃

池田龍雄 無題 1950

 ルポルタージュ絵画、前衛芸術、宇宙の成り立ちをテーマとした絵画など、戦後より長きにわたって制作を続ける画家・池田龍雄。その若き日に制作された、貴重な初期作品が揃う展覧会が開催される。

 池田は1928年佐賀県生まれ。特攻隊員として17歳で終戦を迎える。48年多摩造形芸術専門学校(現・多摩美術大学)入学してまもなく、岡本太郎、花田清輝、安部公房らのアヴァンギャルド芸術運動に参加。50年代より風刺と諧謔を交えたペン画のシリーズを手がけ、60年代末からは概念芸術に関心を寄せて、パフォーマンスも展開した。73年から15年間を費やし、宇宙と生命の深奥を描いた連作「ブラフマン」シリーズを発表。2003年に始まった「場の位相」シリーズは90歳を迎えた現在でも続いている。18年には、回顧展「戦後美術の現在形 池田龍雄展-楕円幻想」(練馬区立美術館)が開催された。

 本展は、佐賀から上京し、読売アンデパンダン展に出品し始めた50年頃のドローイング7点と、61年に制作された13点組のペン画「ジャズの窓」シリーズを中心に構成。「ジャズの窓」は、61年に大阪フェスティバルホールで行われた、木島始の構成によるジャズイベント「ジャズの窓」の舞台に投影された作品で、池田と宇野亜喜良の2人が原画を、朝倉摂が舞台装置を担当した。スクリーンに大きく投影された作品をバックに、ルイ・アームストロングらが熱い演奏を繰り広げた。