鉄道芸術祭vol.8

　「鉄道」にまつわる文化や歴史、その創造性に着目した「鉄道芸術祭」。駅コンコースに位置する「アートエリアB1」の場所性を生かし、先駆的な表現世界を触れる機会を提案してきた。8回目となる今年は、会場となるアートエリアB1の開館、また中之島線開業10周年を記念して、「鉄道と都市計画」をテーマに、「都市計画」の産物である同館の出発点に立ち返る。
　
　本展では、加納俊輔、迫鉄平、上田良によるユニット「THE COPY TRAVELERS」、日本初紹介となるオランダ出身のアーティスト、オスカー・ピータース、ゲーム作家の飯田和敏の3組の表現者が「超・都市計画」を試行。

　THE COPY TRAVELERSは、風景や人々のふるまいを観察・採取・コラージュした平面表現によって、都市の混沌や多層性を表出させ、ピータースは、巨大な木製コースター型の立体表現によって、鉄道や道路などの軌道を連想させる都市の空間構造を出現させる。そして飯田は、仮想現実の世界だからこそ可能な都市の浮遊体験を実現させると同時に、都市生活者のあり方にも言及する。

　本展を通して、様々な課題を抱える都市とそこに住む人々の現実を創造的観点からとらえた、三者三様の「都市の鳥瞰図」が見えてくるだろう。