EXHIBITIONS

京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-

2018.09.19 - 11.11

如意輪観音坐像 平安時代 醍醐寺蔵 撮影=森村欣司 画像提供=奈良国立博物館 重要文化財

薬師如来坐像 平安時代 醍醐寺蔵 撮影=佐々木香輔 画像提供=奈良国立博物館 国宝

文殊渡海図 鎌倉時代 醍醐寺蔵 撮影=佐々木香輔 画像提供=奈良国立博物館 国宝

五大尊像のうち不動明王 鎌倉時代 醍醐寺蔵 撮影=佐々木香輔 画像提供=奈良国立博物館 国宝

五大明王像のうち不動明王 平安時代 醍醐寺蔵 重要文化財

醍醐寺縁起 江戸時代 醍醐寺蔵 撮影=佐々木香輔 画像提供=奈良国立博物館 国宝

 真言密教の拠点として古くから歴史の表舞台で重要な役割を果たしてきた名刹・醍醐寺。貞観16年(874)、空海直系の弟子・理源大師聖宝によって開かれ、真言密教の中でも加持祈禱や修法などの実践を重視する寺として発展したことで、その本尊となる彫刻や絵画、修法で用いる仏具など本格的な密教美術の数々が伝わっている。また、修法の方法や本尊の図像に関する記録、各時代の為政者からの帰依を表す文書などは7万点近くにおよび、国宝『醍醐寺文書聖教』には、その繁栄の歴史が記されている。

 本展では、国宝約35件、重要文化財約50件を含む選りすぐりの寺宝約100件を一挙に公開。かつて上醍醐に鎮座していた《薬師如来坐像および両脇侍像》をはじめ、《如意輪観音坐像》《五大明王像》など醍醐寺の信仰を象徴し、平安彫刻の白眉に数えられる仏像や仏画を中心に、普段は公開されない貴重な史料・書跡を通じて、平安時代から近世にいたる醍醐寺の変遷をたどる。

 また、豊臣秀吉の最晩年に催され、桃山時代の華麗な文化を体現した「醍醐の花見」に関する品々、慶長年間に造営された三宝院の金銀に彩られた襖絵や俵屋宗達らによる絵画などを展示。開創以来1100年あまりの歴史を追想しながら、醍醐寺をめぐる近世美術を鑑賞できる貴重な機会となるだろう。