金田実生「水の音が走る夕刻」

　自然への畏敬の念を含みながら、風景や植物を繊細に描く画家・金田実生。時間に纏う気配や影のようなものを丁寧に観察し、デッサンや絵画、テキストなどによってかたちを持たず、しかし世界を構成するものを掬い上げてきた。

　主な展覧会に「絵画の領域」（佐倉市立美術館、2001）、「ダブルリアリティー」（府中市美術館、2002）、「夏の蜃気楼」（群馬県立館林美術館、2005）、「アーティストファイル」（国立新美術館、2009）、「クインテットー五つ星の作家たち」（損保ジャパン東郷青児美術館、2013）ほか多数。

　金田は、2018年4月〜7月にかけて府中市美術館で公開制作を行い、府中の森公園など周囲を取り巻く環境で春から初夏へ向かう季節の変化を微細にとらえた。本展では、その公開制作を経て完成したドローイングを展示する。