EXHIBITIONS

藤川さき「公園のあとで」

2026.10.17 - 11.01
 東京・両国のLIGHTHOUSE GALLERYで、藤川さきによる個展「公園のあとで」が開催される。会期は10月17日〜11月1日。

 藤川は1990年東京都生まれ。2013年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業。身の回りの環境や対話から生まれた興味や疑問をもとに作品制作を行う。主な展覧会に「息をするとは」(KATSUYA SUSUKI GALLERY、東京、2022)、「全ての果実には種があったらしい」(LIGHTHOUSE GALLERY、東京、2022)、「無濾過の絵具」(River Coffee&Gallery、東京、2020)などがある。

 本展では、日常の生活で得た感覚や心の機微を見つめ直し、それらを「描く」という行為で形にした作品を発表。また、10月17日17:00からはオープニングレセプションが開催され、作家自らが用意する軽食を通じて、その日常と作品との関係性に触れる機会が設けられる。

 本展に際し、藤川は以下のステートメントを発表している。

 「私はこれまで、身の回りで起きた出来事や人との出会い、そこで生まれた感情や疑問を手掛かりに作品を制作してきた。
会話のなかで見つけた違和感、説明がつかない感情の揺れ、そうした出来事を自分の内部で反芻し、絵画という形で問い直すことが制作への出発点だった。
しかし近年、子供を育てる生活で、制作の起点となる私の行動範囲や時間の使い方は大きく変化した。
頻繁に遠くへ出かけることは難しくなり、帰宅時間は小学校や保育園のお迎えに左右される。
世の中の出来事や問題との接点は、以前とは随分形を変えたように思う。
一方で、生活はこれまで以上に濃密になった。
家で誰かと過ごすこと、食事を作ること、体調に気を配ること、相手の歩幅を気にしながら目的地に歩くこと。
繰り返される小さな出来事のなかには、忙しさで見過ごされてしまう感情や疑問が無数に存在している。
誰かにとっては取るに足らないことでも、自分にとっては切実なことがある。
それは長く生きれば生きるほど、強く実感している。
機械を通して他者の人生までも一瞬で要約し、簡単に綺麗な物語や絵にまとめることができる時代になったからこそ、ここ数年は個人に紐付いた要約のできない歴史にこそ、より一層美しさを感じるようになった。
他者によって区切られる生活のなかで生まれる心の揺れ動きを見つめ続けることもまた、世界や自分を見つめる起点のように思う。
制作と生活は分けられた存在ではあるが、生活で得た感覚が制作の材料となり、制作によって得られた視点が再び生活を支えている。
本展では、その往復のなかで生まれた心の機微に目を向け、それらを言葉とはまた違う『描く』という行為で形にしてみようと思う。」