EXHIBITIONS

[企画展]桜 さくら SAKURA 2018 ―美術館でお花見!―

2018.03.10 - 05.06

小林古径 《清姫》のうち「入相桜」 昭和5(1930) 山種美術館蔵

上村松園 《桜可里》 昭和元-4頃(1926-29) 山種美術館蔵

小林古径 《清姫》のうち「入相桜」 昭和5(1930) 山種美術館蔵

奥村土牛 《醍醐》 昭和47(1972) 山種美術館蔵

小茂田青樹 《春庭》 大正7(1918) 山種美術館蔵

千住博 《夜桜》 平成13(2001) 山種美術館蔵

 山種コレクションの中から、日本の春を象徴する「桜」が描かれた作品を厳選し、一堂に公開する展覧会を6年ぶりに開催する。

 爛漫と咲き誇り、やがて散りゆく桜の美しさは、古くから詩歌に詠まれ、調度や衣装などの文様に表されるとともに、絵画にも盛んに描かれてきた。桜を愛でる人々を描いた物語絵や風俗画から、奈良の吉野など、桜の名所を舞台とした名所絵や風景画、花が主役となる花鳥画や花卉(かき)画まで、様々なジャンルで絵画化され、時代とともに多彩な表現が展開されている。

 近代・現代の日本画においても、重要な題材であり続けた桜。歴史や物語の一場面で桜を印象的に表した橋本雅邦の《児島高徳》や小林古径の《清姫》「入相桜」、江戸時代の風俗画に範をとった上村松園の《桜可里》では、過去の時代をテーマとする中で桜が効果的に用いられている。また、京都の桜を描いた奥村土牛の《醍醐》や東山魁夷の《春静》は、桜の咲く光景だけでなく、桜に対する画家それぞれの思いまでも映し出した。夜桜を幻想的に描写した速水御舟《夜桜》をはじめ、桜そのものを主題とした作品では、画家の美意識が反映され、日本画の表現の幅広さを見てとることができる。

 本展では、山種コレクションの中から桜を描いた約60点を展示。名所の桜を描いた奥村土牛や、桜を愛でる人々を描いた上村松園、はらはらと散る桜を抒情たっぷりに描いた川合玉堂など、画家の個性豊かな作品が美術館を満開の桜で彩る。