EXHIBITIONS

アイラブ百人一首

2025.02.01 - 04.13

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 嵯峨嵐山文華館で「アイラブ百人一首」が開催される。

 百人一首は、和歌の名手・藤原定家が飛鳥時代から鎌倉時代までの百人の優れた歌人による和歌を一首ずつ集めたもの。定家が、嵯峨嵐山文華館の近くに位置する小倉山の別荘で和歌を撰んだことから「小倉百人一首」とも呼ばれるようになった。歌人百人の感性がきらめくこれらの和歌は、現代でも親しみを込めて口ずさまれる、いにしえの「名曲ベスト100」と言える存在だ。

 和歌が文化として豊かに花開いたのは平安時代のころ。1階展示室では、宮中風俗を描いた池田孤邨「五節句図」、長沢芦雪「月夜紅葉図」や加山又造「おぼろ」など、四季折々の風趣にあふれた作品の数々を展示する。また、百人一首には恋愛の機微を巧みにとらえた歌も数多く詠まれた。2階展示室では、男女の恋模様を詠った和歌を選りすぐり、関連する絵画とともに解説する。上村松園「美人詠哥図」や菊池契月「六歌仙図屏風」など、画題としても愛好された、和歌をたしなむ女性像や歌人の絵姿も見どころだ。

 成立以降、長きにわたり愛され続けてきた百人一首の魅力と、移ろいゆく季節や変化に富んだ景色を愛おしみ、その感動を歌に託した歌人たちに思いを馳せる展示となる。