EXHIBITIONS

横尾龍彦 瞑想の彼方

横尾龍彦 黙示録 ゴグとマゴグ 1977 北九州市立美術館蔵

横尾龍彦 隠された真珠 1966 個人蔵

横尾龍彦 聖母子像 1987 東京サレジオ学園蔵 撮影=大谷一郎

 日本とヨーロッパを行き来して活躍した画家・横尾龍彦(1928〜2015)。その展覧会「横尾龍彦 瞑想の彼方」が神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。

 横尾は1928年福岡県福岡市生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科を卒業後、油彩画に転向。65年以降、ヨーロッパ各地と日本で個展を多数開催し、聖書や神話に着想を得た幻想画を発表。国内では澁澤龍彥や種村季弘に認められた。

 76年、神奈川県逗子市に移住。その後、高橋巖が主宰するルドルフ・シュタイナー研究会に参加、また鎌倉の三雲禅堂に参禅する。80年にドイツ・オスナブリュックに移り、シュタイナーや禅の思想に影響を受けて制作に瞑想を取り入れ、書に通じる抽象画へと画風を変化させた。93年、埼玉県秩父市にアトリエを構え、晩年まで日本とドイツを拠点に制作を続けた。

 本展は、日本の美術館における横尾の初回顧展として、国内のアトリエに残された作品を中心に約90点を展示。初期の幻想画から晩年の抽象画まで、各時期の代表作を展覧し、大きく画風を変化させながら活動した横尾の画業の全貌に迫る。

 加えて小説の挿絵や、教会から依頼を受けて制作した聖像彫刻など、絵画制作以外の横尾の創作活動も紹介する。