EXHIBITIONS

鷹野隆大・山城知佳子

左から
山城知佳子 The Body of Condonement No. 13 2012 ©︎ Chikako Yamashiro
鷹野隆大 2011.09.29.bw.#a16(Photo-Graph) 2011 ©︎ Ryudai Takano Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 ユミコチバアソシエイツが新宿から六本木に移転。新スペースでの初の展覧会は、写真家の鷹野隆大と、映像作家・美術家の山城知佳子による2人展を開催している。

 鷹野は1963年福井県生まれ。1994年からセクシュアリティをテーマに作家活動を開始。女か男か、同性愛か異性愛かといった二項対立の狭間にある曖昧なものを可視化することを試みた作品集『IN MY ROOM』(2005)で木村伊兵衛写真賞を受賞する。その後は同テーマをポルノグラフィカルな形式を通して探求したシリーズ『男の乗り方』、無防備なセクシュアリティの表出が警察沙汰を招いた『おれと』など、性欲という「下半身の問題」をアイデンティティや社会規範との関わりのなかでとらえる作品を発表している。

 山城は沖縄生まれ。2002年沖縄県立芸術大学大学院環境造形専攻修了。映像や写真を使い、ときには自身も被写体となりながら出身地・沖縄を主題に作品を制作してきた。近年の主な個展に「山城知佳子 リフレーミング」(東京都写真美術館、2021)、「Chinbin Western」(Dundee Contemporary Arts、イギリス、2021)などがある。

 今回の展示は、鷹野の文化庁令和3年度(第72回)芸術選奨美術部門受賞および、山城の同美術部門新人賞受賞を記念したもの。鷹野のキュレーションにより、山城の「黙認のからだ」シリーズ、そして鷹野の「Photo-Graph」シリーズを軸に「距離」をテーマとした作品を出品する。

 またユミコチバアソシエイツは移転オープンと同時に、新プロジェクト「六本木アルスクーリア」を始動。批評家や研究者、キュレーターらによる連続講座やシンポジウム、アーティストによるトークイベントなどを開催するほか、芸術・美術分野以外の専門家や研究者を招き、六本木という街において、人々の交流と議論の場をつくることを目指す。