Vol.66 No.1000
2014年3月号 特集「アンディ・ウォーホルのABC」
アンディ・ウォーホルは1928年、アメリカ・ピッツバーグに生まれた。
地元の大学で絵画とデザインを学んだのちにニューヨークへ移り、 商業デザイナーとして活躍。
30代でアーティストとして本格的に制作を開始し、キャンベル・スープ缶やコカ・コーラといった大量生産品、 マリリン・モンローやエルヴィス・プレスリーらスターたちの絵画を次々に発表。
一躍話題の人となった。名声と大金を得て、セックスとドラッグが身近にあり、夜ごとパーティーに明け暮れる生活。
しかし、その強烈で色鮮やかな表層にとらわれてはいけない。
「アンディ・ウォーホルのすべてについて知りたければ、表面だけを見ればいい。それが僕だ」 とウォーホルはうそぶく。
だが、その機械的につくられた作品や華やかな生活の先には、無限に増殖するウォーホル像が存在する。
ウォーホルの頭上に載る頭蓋骨。これはあからさまな「死」の表象に見える。
しかし、これすらもウォーホル流の罠かもしれない。
私たちが死をとらえられないように、アンディ・ウォーホルという存在は、 今でも巨大な謎として立ちはだかっているのだ。
