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狩野元信

Motonobu Kano

 狩野元信は1477(文明9)年(または46年)、狩野派の始祖・狩野正信の長男として生まれる。父の筆様を整理し、真・行・草という画体の概念を確立。様式の理解・筆法の習得をシステマティックにすることで、大人数での工房制作を可能とし、400年続く狩野派の基礎を築いた。また元信は、正信が得意とした中国の水墨画の表現に、日本古来のやまと絵の表現を独自に融合させ、幅広い顧客層の需要に応じた。やまと絵の摂取にあたり、土佐光信の娘・千代を妻に迎えたとも伝えられる。ダイナミックな遠近構図のなかで花鳥が生彩を放つ大徳寺大仙院の《四季花鳥図》(16世紀前半)は元信の代表作であり、来る桃山の障壁画の絢爛を予感させる。天文年間には、石山本願寺、内裏小御所、妙心寺霊雲院の障壁画を手がけ、1545(天文14)年頃、法眼に叙せられた。こうした有力者からの制作依頼に応じるいっぽうで、町衆向けの扇制作も行っていたという。のちに「古法眼」の名で呼ばれた。59年(永禄2)年没。