EXHIBITIONS

土肥美穂 / ガブリエル・ハートリー / 寺内曜子 by HAGIWARA PROJECTS

2022.04.28 - 05.15

ガブリエル・ハートリー 2022 © Gabriel Hartley

土肥美穂 untitled 2020(参考作品)
© Miho Dohi Courtesy of HAGIWARA PROJECTS

寺内曜子 WHIRLPOOL(No. 3 of a series of 3 pieces) 1991
© Yoko Terauchi Courtesy of Kanransha

 CADAN有楽町で、土肥美穂、ガブリエル・ハートリー、寺内曜子の3名による展覧会「FIGUR」が開催されている。東京・森下を拠点とするHAGIWARA PROJECTSが企画。

 土肥美穂は、様々な素材を組み合わせて制作を行う彫刻家。その作品は異なる種類の素材が調和と反発のバランスを絶妙に保ち、有機的な存在感を持つ。土肥は素材一つひとつのかたちや質感、色が互いに及ぼす作用を、あらゆる角度から見て検証しながら丁寧にすくい上げ、未知のものをつくる可能性を探求している。本展では、「視ること」をテーマにしたドローイング作品を初披露する。

 ガブリエル・ハートリーは、日々描き止めるスケッチや、写真をもとに絵画を描いている。街並みや動植物のかたちは、画面上で抽象度を増し、さらに様々な技法で描かれた色とテクスチャーのレイヤーが、光や時間帯によって鑑賞者が知覚するイメージに変化を及ぼす。本展では、近作の色鮮やかな絵画を展示する。

 寺内曜子は、当たり前と見なされている裏と表、内と外、善と悪といった対立概念への疑いをもとに、彫刻作品を制作してきた。本展では、鉛を使った彫刻のなかから、日本では未発表の2作品を含めて展示。今回展示する作品はすべて、1枚の紙や鉛板に何も足さず、何も引かずに、裏表の対立はないことを、造形するのではなく素材自身が必然的に成るかたちで証明し、「世界に対立関係はない」という考えを伝えている。

 三者の作品のかたちの在り方はそれぞれだが、現れているかたちを「視る」ことで、その視覚体験が知覚を刺激し、豊かな鑑賞体験が広がることだろう。