EXHIBITIONS

Yoshiya Taguchi「DETOXIFICATION」

2022.05.09 - 05.26
 Karimoku Commons Tokyoは1階のギャラリースペースで、インスタレーションアーティスト・Yoshiya Taguchiによる展覧会「DETOXIFICATION」を開催している。

 Yoshiya Taguchiは1992年生まれ、大分県臼杵市出身。「人であるが故に生じる関係性、あるいは共存性」を主題に制作活動を展開。鑑賞者をはじめとした人々の行動が介在することによって成る空間を構成する。

 本展では、無数のガラスの「浮玉(うきだま)」を設置したインスタレーション作品が展示されている。

 浮玉は海上で網を固定する漁具として実際に長年使用されていた民芸品だが、現在、漁を目的とした浮玉の製造はされていない。会場に設置される浮玉は、訪れた人々が手に取る、持ち帰ることで、あるいは身体に当たるなどして位置を変えていく。会期中に浮玉の位置調整は行われず、会場内を回遊する人々の行動が介在することで生じる変化も作品の一部となる。

 展覧会のタイトル「DETOXIFICATION」には解毒という意味があり、「人との接触」と「情報/感情」の関係性を、私たちの身体のなかでつねに一定のバランスを保とうとする「水」と「塩」の関係性に準えて表現している。

 なお会期中、アーティストは全日在廊予定。独特の緊張感を持った空間が、現代社会と対峙するきっかけを与えてくれる。