EXHIBITIONS

若冲と京(みやこ)の美術

京都 細見コレクションの精華

2022.04.23 - 06.12

伊藤若冲 雪中雄鶏図 江戸中期 細見美術館蔵 前期展示

祇園祭礼図屏風(右隻) 江戸前期 細見美術館蔵

芦屋霰地楓鹿図真形釜 室町時代 細見美術館蔵 重要文化財

 茨城県近代美術館で、「若冲と京の美術 京都 細見コレクションの精華」展が開催される。

 京都・岡崎に位置する細見美術館は、1998年の開館以来、古美術を中心とした日本美術のコレクションによって国内外の人々に親しまれてきた。そのコレクションは、大阪の実業家であり茶人としても知られた細見良(初代古香庵)に始まり、二代目の細見實、館長の細見良行の細見家三代が蒐集したものだ。

 細見コレクションの特徴は、各作品の質の高さだけでなけ、古代から現代に至る日本の各時代、絵画・彫刻・書蹟・諸工芸の各分野を網羅し多彩であること。とりわけ、今日高い人気を誇る琳派や、江戸時代の京の絵師・伊藤若冲(1716〜1800)の作品群は、細見家が早くから着目して蒐集を続け、公開してきた非常に貴重な内容となっている。

 本展では、細見コレクションのなかから、特別出品となる《菊花図押絵貼屛風》など若冲の作品16点を展観するほか、若冲を生み、その異才を育んだ「京」の歴史・文化を伝える美術品の数々を紹介する。

 桃山・江戸時代の名所・祭礼図や琳派などの絵画作品から茶の湯の美術まで。重要文化財を含む選りすぐりの約90点を、「都に遊ぶ―名所遊楽と祭礼の世界―」「都の美意識Ⅰ-王朝のみやび-」「都の美意識Ⅱ-茶の湯の心-」「若冲と都の絵師-華ひらく個性-」の4章で構成し、若冲と「京」の美意識が織りなす日本美術の奥深さを浮き彫りにする(会期中、展示替えあり)。