EXHIBITIONS
マーガレット・リー「(as)hard as(it)gets」
マーガレット・リーは1980年ニューヨーク生まれ、現在も同地で活躍しているアーティスト。MISAKO ROSENでの2回目となる個展は「(as)hard as(it)gets」と題して開催する。
本展では、互いに同じ大きさで、表面のマーキングも共通しているペインティングが、ふたつずつペアを組んで展示される。一連のマーキングは上層のバリアとして、下層のジェスチュラルな所作は抑揚のある押し戻しとして読まれるべきもの。肩を寄せ合うように壁に掲げられた2枚は、たんに似ているのではなくひとつの関係性があり、互いを模しているようで、画面のぐらつきは異なっている。2枚のペインティングのあいだには壁掛けの彫刻が割り込む。それは2枚を結ぶ仲介役、ふたつの抽象をつなぐ具体的な形体であり、リーが最初期に取り組んでいた彫刻制作の実践、ざらついた材料を流麗に仕上げられた物体へと変身させることへの回帰を思わせる。
リーは以前の彫刻作品では、具象的な忠実性を理念化していたが、今回の作品は剥き出しの形体を持ち、リーのペインティングの抑制された色使いがそのまま反映されている。磨き上げられた表面を乱雑な釘やネジで乱すことで、インスタレーション全体の平面性に新たな次元性が加えられている。忌避もしくは愛着への関わり方や、線が引かれるという事態のとらえ方によって、6点のペインティングと3点の壁掛け彫刻との関係性は、それぞれの鑑賞者に異なる姿を見せるだろう。
「極度に硬直したとき、それでも踏ん張ることで、人は状況の向こう側に到達できる。特定の愛着や添付にはときに異論が突きつけられる。どちら側に付くのかを決めるときのように。自己開示の彼方に見出された親密性は貞操を要求するけれど。実践的な作業が描線や導線を支え、関係性が転移可能性を確かにする。押し引きは決してあなたに落胆をもたらさない(マーガレット・リー)」。
本展では、互いに同じ大きさで、表面のマーキングも共通しているペインティングが、ふたつずつペアを組んで展示される。一連のマーキングは上層のバリアとして、下層のジェスチュラルな所作は抑揚のある押し戻しとして読まれるべきもの。肩を寄せ合うように壁に掲げられた2枚は、たんに似ているのではなくひとつの関係性があり、互いを模しているようで、画面のぐらつきは異なっている。2枚のペインティングのあいだには壁掛けの彫刻が割り込む。それは2枚を結ぶ仲介役、ふたつの抽象をつなぐ具体的な形体であり、リーが最初期に取り組んでいた彫刻制作の実践、ざらついた材料を流麗に仕上げられた物体へと変身させることへの回帰を思わせる。
リーは以前の彫刻作品では、具象的な忠実性を理念化していたが、今回の作品は剥き出しの形体を持ち、リーのペインティングの抑制された色使いがそのまま反映されている。磨き上げられた表面を乱雑な釘やネジで乱すことで、インスタレーション全体の平面性に新たな次元性が加えられている。忌避もしくは愛着への関わり方や、線が引かれるという事態のとらえ方によって、6点のペインティングと3点の壁掛け彫刻との関係性は、それぞれの鑑賞者に異なる姿を見せるだろう。
「極度に硬直したとき、それでも踏ん張ることで、人は状況の向こう側に到達できる。特定の愛着や添付にはときに異論が突きつけられる。どちら側に付くのかを決めるときのように。自己開示の彼方に見出された親密性は貞操を要求するけれど。実践的な作業が描線や導線を支え、関係性が転移可能性を確かにする。押し引きは決してあなたに落胆をもたらさない(マーガレット・リー)」。