EXHIBITIONS
彼方はいつもさまよっている
第1回萬福寺アーティスト・イン・レジデンスの企画展「彼方はいつもさまよっている」が開催される。会期は12月15日~28日。
「萬福寺アーティスト・イン・レジデンスプログラム(萬福寺AIR)」は今年6月よりスタート。黄檗宗大本山萬福寺と、株式会社和合舎およびDART株式会社の企画協力で、若手アーティストが歴史的建造物である萬福寺境内に滞在し創作するための支援活動だ。
本企画展「彼方はいつもさまよっている」は、萬福寺AIRに参加した4人の若手作家が、萬福寺の空間から得たインスピレーションをもとに、広大な境内を表現の場として作品を発表する。第1期滞在アーティストとして、萬福寺境内にあるアーティスト滞在型のギャラリー・香福廊(こうふくろう)で制作を続けている幸山ひかりと監物紗羅(けんもつ・さら)、また第2期滞在アーティストとして参加する中国出身の現代美術家・舒達(SHUDA)に加え、注目の若手アーティスト・REMAをゲストに迎える。キュレーションは、李静文(リ・セイブン)・侯米蘭(コウ・ベイラン)のグローバルチームが手がける。
本展のコンセプトは、哲学・宗教・芸術の根源的テーマである「自己を究明すること」。アーティスト4人が滞在制作を行う萬福寺は、中国にゆかりがあり、禅の哲学がその歴史に深く根ざしている。
禅の哲学は、鈴木大拙や久松真一らによって、日本の禅から世界の「ZEN」へ広がり、ZENと現代美術の接点では、1960年代のアメリカの前衛芸術団「フルクサス」の活動としてジョン・ケージやオノ・ヨーコ、ナム・ジュン・パイク(白南準)らによって、音楽やテクノロジーと結びつき、現在の文化芸術シーンに影響を与え続けている。
アーティスト4人は、萬福寺の空間からインスピレーションを得ながら、それぞれのジャンルのアート領域のなかに表現メソッドを探り、「自己を究明すること」へのアプローチを試みる。
幸山ひかりは、実在する植物を写生し想像から浮かぶイメージを重ね、古和紙に朱線で描かれた作品を組み合わせたインスタレーションを通して、生の営みを表現。単色の日本画技法を磨きつつ平面的な表現から飛び出し、展示空間との関係性もつくり上げてきた監物紗羅は、固定形態がない参加型のアート作品を発表するとともに、鑑賞者とのワークショップも行う。
舒達は、禅や仏教の「無常」の思想を創作の軸とし、セラミックからデジタル映像作品まで、多様な素材と表現手法を模索しており、萬福寺にある仏像や魚梆(ぎょほう)などをモチーフとした新作によって、鑑賞者に超自然なるものへの哲学を問いかける。そして今回ゲストアーティストのREMAは、葉にドローイングを刻印し、色を反転させて写真というメディアの新しい表現を試み、枯山水の彫刻で構成する大規模なインスタレーションを庭園内に出現させる。
コロナ禍のなかで、あらゆる方面に生活が閉ざされたいまこそ、4人は制作を通して、創造的な態度で自身の存在を洞察し、人々に自省する窓口を開く。本展を通じ、日本美術の源流である仏教美術・禅的な哲学とともに、デジタルアート、写真、インスタレーション、日本画、工芸的表現など、多様なメディアのアート作品を鏡として、観客が自身と対話し、心の奥底に潜んでいる「無意識」を意識することの可能性を提示する。
展覧会の会期中には、ワークショップや座禅体験などの関連イベントも実施予定。さらにDART株式会社によって、展覧会の様子は3D・VR空間上にアーカイヴされ、展覧会期終了後も、多くの人々が国内外からバーチャルに訪れて鑑賞・作品購入ができるプラットフォームとして、オンラインでも楽しむことできる。なお萬福寺AIRでは、本企画展およびアーティスト・イン・レジデンスの運営のために、2022年1月末までクラウドファンドによりプロジェクト応援者を募集中だ。
「萬福寺アーティスト・イン・レジデンスプログラム(萬福寺AIR)」は今年6月よりスタート。黄檗宗大本山萬福寺と、株式会社和合舎およびDART株式会社の企画協力で、若手アーティストが歴史的建造物である萬福寺境内に滞在し創作するための支援活動だ。
本企画展「彼方はいつもさまよっている」は、萬福寺AIRに参加した4人の若手作家が、萬福寺の空間から得たインスピレーションをもとに、広大な境内を表現の場として作品を発表する。第1期滞在アーティストとして、萬福寺境内にあるアーティスト滞在型のギャラリー・香福廊(こうふくろう)で制作を続けている幸山ひかりと監物紗羅(けんもつ・さら)、また第2期滞在アーティストとして参加する中国出身の現代美術家・舒達(SHUDA)に加え、注目の若手アーティスト・REMAをゲストに迎える。キュレーションは、李静文(リ・セイブン)・侯米蘭(コウ・ベイラン)のグローバルチームが手がける。
本展のコンセプトは、哲学・宗教・芸術の根源的テーマである「自己を究明すること」。アーティスト4人が滞在制作を行う萬福寺は、中国にゆかりがあり、禅の哲学がその歴史に深く根ざしている。
禅の哲学は、鈴木大拙や久松真一らによって、日本の禅から世界の「ZEN」へ広がり、ZENと現代美術の接点では、1960年代のアメリカの前衛芸術団「フルクサス」の活動としてジョン・ケージやオノ・ヨーコ、ナム・ジュン・パイク(白南準)らによって、音楽やテクノロジーと結びつき、現在の文化芸術シーンに影響を与え続けている。
アーティスト4人は、萬福寺の空間からインスピレーションを得ながら、それぞれのジャンルのアート領域のなかに表現メソッドを探り、「自己を究明すること」へのアプローチを試みる。
幸山ひかりは、実在する植物を写生し想像から浮かぶイメージを重ね、古和紙に朱線で描かれた作品を組み合わせたインスタレーションを通して、生の営みを表現。単色の日本画技法を磨きつつ平面的な表現から飛び出し、展示空間との関係性もつくり上げてきた監物紗羅は、固定形態がない参加型のアート作品を発表するとともに、鑑賞者とのワークショップも行う。
舒達は、禅や仏教の「無常」の思想を創作の軸とし、セラミックからデジタル映像作品まで、多様な素材と表現手法を模索しており、萬福寺にある仏像や魚梆(ぎょほう)などをモチーフとした新作によって、鑑賞者に超自然なるものへの哲学を問いかける。そして今回ゲストアーティストのREMAは、葉にドローイングを刻印し、色を反転させて写真というメディアの新しい表現を試み、枯山水の彫刻で構成する大規模なインスタレーションを庭園内に出現させる。
コロナ禍のなかで、あらゆる方面に生活が閉ざされたいまこそ、4人は制作を通して、創造的な態度で自身の存在を洞察し、人々に自省する窓口を開く。本展を通じ、日本美術の源流である仏教美術・禅的な哲学とともに、デジタルアート、写真、インスタレーション、日本画、工芸的表現など、多様なメディアのアート作品を鏡として、観客が自身と対話し、心の奥底に潜んでいる「無意識」を意識することの可能性を提示する。
展覧会の会期中には、ワークショップや座禅体験などの関連イベントも実施予定。さらにDART株式会社によって、展覧会の様子は3D・VR空間上にアーカイヴされ、展覧会期終了後も、多くの人々が国内外からバーチャルに訪れて鑑賞・作品購入ができるプラットフォームとして、オンラインでも楽しむことできる。なお萬福寺AIRでは、本企画展およびアーティスト・イン・レジデンスの運営のために、2022年1月末までクラウドファンドによりプロジェクト応援者を募集中だ。