EXHIBITIONS

Cama/突OW 山田周平・小池一馬

小池一馬 TP210315 (Floating Head) 2021

山田周平 People show you who they really are. 2021

 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで、山田周平と小池一馬による展覧会「Cama/突OW」が開催されている。11月22日まで。

 山田は1974年生まれ、京都府在住。写真、映像、立体、平面、インスタレーションと様々な作品形式を展開し、社会状況に対する考察を通じて作品を制作している。2013年には、アーモリー・ショーのキュレーション部門で、当時アンディ・ウォーホル美術館(ピッツバーグ)館長のエリック・シャイナー(現・Pioneer Worksディレクター、ニューヨーク)により唯一の日本人として選出され、様々なメディアで話題となった。

 小池は1980年生まれ、大阪府在住。幼少期をブエノスアイレス、高校時代をバルセロナで過ごす。日本大学芸術学部美術学科彫刻専攻卒業。「架空の古代遺物」をテーマに、偶像、ツボ、大型ネコ類、植物、パイナップルなどをモチーフにしたセラミック彫刻、ペインティング、ドローイングを制作している。「異なる要素が調和しながら共存した状態」や「モノの用途や意味が変化する過程」への関心のもと、異なる場所/時代に由来するイメージをミックスしてつくられる作品は、どこにも属していないかのような独特の浮遊感をまとっている。

 本展は、ヒトコブラクダとリャマとの間に、人工的につくられた種間雑種「キャマ」を起点としたもの。アラブ首長国連邦のドバイで1998年に1頭目、2002年に2頭目が人工授精によって生まれたキャマには生殖能力がある可能性があり、最初のキャマは雄で、成長するにつれ大変気難しい性格を持っていることが明らかになった。この雑種固有のものなのか、それとも人工飼育の結果によるものなのかは不明だとされている。

 本展で山田は「安定におけるイメージの略奪をテーマにした作品」、小池は「異なる場所/時代に由来する遺物のイメージをミックスした作品」を展示する。両者の作品には生殖能力はあるのか、また2人の生み出す空間は気難しい性格を持っているのか、会場で目撃してほしい。