安藤瑠美写真展「TOKYO NUDE」

　写真家・安藤瑠美の個展「TOKYO NUDE」がBOOK AND SONSで開催中。本展では同名写真集に収録された作品に、会場屋上から撮影したオリジナル作品を加えた約20点を展示している。

　安藤は1985年岡山県生まれ。2010年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。19年に「THE REFERENCE ASIA : PHOTO PRIZE」で優秀作品を受賞し、上海アートブックフェアにも参加。現在はフォトグラファー、レタッチャーとして活動している。

　2020年に発表した写真集『TOKYO NUDE』は、「虚構の東京を写真でつくる」というコンセプトのもと、合成や加工などのレタッチ（デジタル画像編集）技術を使って街の「ノイズ」をすべて消し、裸の状態へと変換したもの。広告看板の文字や、ビルの窓、室外機など、人間が生活することで装飾された「ノイズ」となるような視覚情報をできるだけ除去し、色彩や配色を変え、雲や建築物までも合成することで、虚構の風景を生み出した。

　どこか違和感を感じる東京のビル群をとらえた写真群。高度なレタッチ技術によってつくられた東京の街には、心地よさと違和感が混在し、まるでパラレルワールドに迷い込んだかのような感覚を見る者に覚えさせる。

　会場のBOOK AND SONSでは写真集とともに、展示作品やグッズも販売。写真集はオンラインストアでも購入できる。